フランス映画『それでも私は生きていく』が、2023年5月5日(金・祝)より公開される。主演はレア・セドゥ、監督はミア・ハンセン=ラブ。
映画『それでも私は生きていく』は、カンヌ国際映画祭 監督週間で話題を呼び、第75回カンヌ国際映画祭でヨーロッパ・シネマ・レーベル賞を受賞したフランス映画。病を患い変わりゆく父の姿に対する“悲しみ”、新しい恋の始まりにときめき抱く“喜び”という正反対の感情に直面するシングルマザーの心の揺れを繊細に描き出す。
親の死を意識した時に感じる無力感や込み上げてくる恐れといった感情だけでなく、新たな情熱が生まれる可能性も同時に描くことで、人生を愛したくなる感動的な映画に仕上げた。主人公・サンドラを演じたレア・セドゥ、父親役のパスカル・グレゴリー、恋人クレマン役のメルヴィル・プポーのキャスト3人が織りなす調和のとれた演技にも注目だ。
主人公・サンドラ…レア・セドゥ
通訳者として働きながらパリの小さなアパートで8歳の娘リンと二人暮らしをするシングルマザー。仕事、子育て、そして介護に追われ、長年自分のことは後回しの日々を送っている。
主人公の複雑な心の機微を見事に表現したのはレア・セドゥ。『007』シリーズで2作続けてボンドガールを務め、ファッションアイコンとして世界的に人気を博すフランスを代表する俳優だ。
ゲオルグ…パスカル・グレゴリー
サンドラの父。かつて哲学の教師として生徒たちからも尊敬されていたが、今は病を患い、徐々に視力と記憶を失いつつある。
エリック・ロメール監督作品の常連俳優として知られ、出演作が多数にのぼる名優。作中では、教師であるがゆえに大事にしてきた“知識”や“言葉”が病により失われていく様を丹念に演じた。
クレマン…メルヴィル・プポー
サンドラの恋人。サンドラにとって希望のような存在として登場。
『わたしはフランス』に出演し、信じてよいものか曖昧ながらもナイーブな魅力にあふれるクレマンを好演している。
監督は、『未来よ こんにちは』で第66回ベルリン国際映画祭 銀熊(監督)賞を獲得したミア・ハンセン=ラブ。フランス映画界を代表する存在となった監督が、フランスを代表する名優たちとタッグを組み、繊細な感情を35mmフィルムで詩的に映し出すヒューマンドラマを作り上げた。
本作は、前作『ベルイマン島にて』を手掛けた後、当時病床にあった父親の病からインスピレーションを得て脚本を執筆。ミアは映画について、「悲しみと再生という、正反対の二つの感情がどのように同時に存在し、影響し合うのかを、この映画で表現したかった」と振り返った。
パリの小さなアパートで8歳の娘リンと二人暮らしをする主人公・サンドラ。別居する母フランソワーズと共に、病を患う父ゲオルグのもとを頻繁に訪ねては、変わりゆく父の姿に直面し、自身の無力感を覚えていた。そんなある日、旧友のクレマンと偶然再会し、自然と恋に落ちる。最愛の父に対するやるせない思いと、新しい恋の始まりに対するときめきという相反する感情をサンドラは同時に抱くが。
【詳細】
映画『それでも私は生きていく』
公開日:2023年5月5日(金・祝)
監督・脚本:ミア・ハンセン=ラブ
出演:レア・セドゥ、パスカル・グレゴリー、メルヴィル・プポー、ニコール・ガレシア、カミーユ・ルバン・マルタン
撮影:ドゥニ・ルノワール
編集:マリオン・モニエ
美術:ミラ・プレリ
2022年/フランス/ 112分/カラー/ビスタ/5.1ch/原題:Un beau Matin/英題:One Fine Morning/日本語字幕:手束紀子 R15+ 配給:アンプラグド