カザールは1975年、ドイツ、ミュンヘンにあるオプ・クチュール社からCari Zalloni(カリ・ツァローニ)をデザイナーに起用してアイウェアブランドとして始まる。
カザールのブランド名「CAZAL」はデザイナーであるカリ・ツァローニの名前「Cari Zalloni」に由来している。
そのカリ・ツァローニは、ギリシアのアテネに1937年に生まれる。オーストリアのウィーン芸術アカデミーで伝統的な建築デザインを学ぶ。その後、家具や陶器などのデザインの仕事をする。
1975年のドイツ、カールスルーエでのオプティカ展においてカザールのデザイナーとしてデビュー。
流れるような美しいフレームや多彩な色使い、バウハウスに影響を受けた装飾性、微細なディテールへのこだわりなどから、当時のアイウェア・サングラスと一線を画し、人気を博す。
アメリカにも進出し、そこでも人気を博す。カザールの人気ぶりを示すエピソードに、ニューヨークのブロンクスで、カザールのサングラス欲しさの殺人事件がある。このことは、デザイナーのカリ・ツァローニに大きなショックを与えた。
カザールのアイウェアは、その美しさやゴージャス感、完璧に計算されたフォルムなどから人気になったが、デザイナーのカリ・ツァローニ本人は、カザールのアイウェアを掛けるひとたちの内なるものに働きかけられるようなアイウェア作りを目指しているとのこと。ブランド設立から30年以上も経っているが、人気を保ち続けられるのは、妥協のないデザインの追求にあると思われる。