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大茶人・武士「織田有楽斎」の展覧会が京都文化博物館で - 人物像を再考、刀剣や茶道具の名品が一堂に

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四百年遠忌記念特別展「大名茶人 織田有楽斎」が、京都文化博物館にて、2023年4月22日(土)から6月25日(日)まで開催される。その後、2024年1月31日(水)から3月24日(日)まで、東京・六本木のサントリー美術館に巡回する。

織田有楽斎を再考する

狩野山楽筆 《蓮鷺図襖》(部分) 正伝永源院蔵
[全図は4月22日(土)〜5月21日(日)展示]
狩野山楽筆 《蓮鷺図襖》(部分) 正伝永源院蔵
[全図は4月22日(土)〜5月21日(日)展示]

有楽斎(うらくさい)とも呼ばれる織田長益(おだ ながます)は、織田信長の弟のひとりであり、茶人として知られている。織田信長、豊臣秀吉、そして徳川家康のもとで武将として活躍した有楽斎は、晩年に京都・建仁寺の塔頭「正伝院(しょうでんいん)」を再興し、茶室「如庵」(国宝)を建造。75歳でこの世を去るまで、この寺で茶道に専念して生きた。その美意識は現代の茶道に引き継がれ、規範とされている。

古澗慈稽賛・狩野山楽筆 《織田有楽斎像》 正伝永源院蔵
古澗慈稽賛・狩野山楽筆 《織田有楽斎像》 正伝永源院蔵

正伝院は、近代化のなかで寺名を「正伝永源院」と改めつつ、貴重な寺宝の数々を今に伝えている。四百年遠忌記念特別展「大名茶人 織田有楽斎」では、正伝永源院に伝わる文化財の調査から得られた知見をもとに、有楽斎の人物像にあらためて光をあててゆく。

「逃げた男」という評価を再考

文化人・有楽斎の名声に比べて、武士・長益には負のイメージが付随してきた。1582年、本能寺の変に際して長益は、自らが付き従う織田信忠の切腹後、脱出して生き延びたことから、京の人びとには「切腹をすすめておいて、逃げた男」と揶揄されている。本展では、歴史資料を通して、長益の実像を再考。《短刀 無銘 貞宗(名物寺沢貞宗)》(国宝)など、ゆかりの品も展示する。

茶道具の名品を展示

《大井戸茶碗 有楽井戸》 東京国立博物館蔵
Image:TNM Image Archives
《大井戸茶碗 有楽井戸》 東京国立博物館蔵
Image:TNM Image Archives

一方、茶の湯を介して大名や町衆との交わりを深めた有楽斎は、当時の茶の湯の世界で重要な役割を果たすようになった。会場では、かつて有楽斎が所持した、あるいは好んだとされる茶道具の名品を通して、その美意識を紹介。寂びの茶碗を代表する「大井戸茶碗」のうち、五指に入るとされる《大井戸茶碗 有楽井戸》をはじめ、《三島筒茶碗 銘 藤袴》や《肩衝茶入 銘 残月》などを目にすることができる。

旧正伝院書院の障壁画などが一堂に

長谷川等伯 《旧書院障壁画のうち山水図》(部分) 名鉄グループ蔵
長谷川等伯 《旧書院障壁画のうち山水図》(部分) 名鉄グループ蔵

正伝永源院は、有楽斎の菩提寺である正伝院と、大名・細川家の菩提寺である永源庵の2つの由緒を持っており、絵画や墨蹟類など、桃山時代にさかのぼる寺宝を数多く今に伝えている。本展では、正伝永源院の寺宝を中心に、有楽斎没後の歴史を紹介。さらに、長谷川等伯筆《四愛図》など、正伝院の書院を飾っていた障壁画を一堂に展示する。

展覧会概要

四百年遠忌記念特別展「大名茶人 織田有楽斎」
会期:2023年4月22日(土)〜6月25日(日) 会期中に一部展示替えあり
会場:京都文化博物館 4階・3階展示室
住所:京都府京都市中京区三条高倉
開室時間:10:00〜18:00(金曜日は19:30まで)
※入場はいずれも閉室30分前まで
休館日:月曜日(5月1日(月)は臨時開館)
観覧料:一般1,600円(1,400円)、高校・大学生 1,000円(800円)、小・中学生 500円(300円)
※( )内は前売および20名以上の団体料金
※障がい者手帳などの提示者および付添者1名までは無料
※上記料金で2階総合展示および3階フィルムシアターも観覧可(催事により有料の場合あり)
※前売券は、2月22日(水)から4月21日(金)まで販売
※チケットは、京都文化博物館、ローソンチケット(Lコード 55600)、チケットぴあ(Pコード 994-040)、セブンチケット、 イープラス、美術展ナビチケットアプリほかにて販売

■巡回情報
東京会場
会期:2024年1月31日(水)〜3月24日(日)
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア 3階

【京都会場についての問い合わせ先】
京都文化博物館
TEL:075-222-0888

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