エスモードジャポン東京校の2014年卒業コレクションが、恵比寿ガーデンプレイス内にあるヱビスビール記念館で開催された。テーマは「HEALTHY」。「服はこれからの時代、グローバルでありながらローカリティがないと通用しません」これはオープニングの挨拶でリトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)の山縣良和が語った言葉。学生56名による作品約160体が登場した今年の卒業制作には、服作りの基本をしっかりと踏襲しつつ、東京という街に根ざした作品が目だった。
中心となったのは、様々な要素をミックスしたスタイル。構築的なウェアにファンシーさを盛り込んだり、クチュールライクなデザインをスウェットなどのカジュアルな素材で表現したりと、自由な発想のミックススタイルが次々と現れた。中でも目立ったのは、漫画風のイラストやひらがな・漢字など日本的なモチーフを落とし込んだもの。東京のストリートで流行をみせているパステルカラーも、多くのルックで使用されていた。
個性あふれる作品が登場した2014年の卒業コレクションだが、その中でグランプリを獲得したのは木村康人と古澤尚徳のペア。タイをボタンに取り付ける仕組みにしたり、ウエストポーチ、アームカバーなど変化のあるアイテムを取り入れたりすることで、グレイッシュなスーツスタイルに遊びを効かせた作品群を展開した。そんな作品の評価のポイントとなったのは、そのクオリティの高さ。デザインはもちろんのことながら、ものづくりに真摯に向き合う姿勢が審査員に大きく評価されたという。
また、最優秀レディース賞は学校のイメージを独特のシルエットに落とし込んだ大橋佳奈が、最優秀メンズ賞は太めのシルエットや素材感で魅せた斉藤純平・善那信彦のペアがそれぞれ受賞。最優秀モデリスト賞には勝田息吹・小宮翔太のペア、優秀作品賞には小川景子と、Shermeen AHMED・CHEN WEN-TING・古澤尚徳の2組、在学期間を通し優れた成績を残した学生に与えられる金の針賞には藪内紗世が輝いている。
なお、当日は山縣のほか、ミキオ サカベ(MIKIO SAKABE)の坂部三樹郎、山本寛斎をはじめとしたファッション界の著名人が多く駆けつけた。