2014年3月22日(土)、ドレスキャンプ(DRESSCAMP)がコレクションを発表。メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク 東京のトリをかざった。テーマは「THE THREEPENNY VISCONTI OPERA」。舞台から受けたインスピレーションを織り交ぜながら、「見えているものが果たして本当に見えている通りの意味なのか」という問いを、コレクションの中で表現した。
最初に登場したのはメンズ。劇場っぽいムードを出すために、バレータイツを用いたり、メイクやヘアを舞台風にしたという。紳士風の大きなボウタイに、すそが絞られたジャージー風のパンツやボリューミーなアウターを羽織ったルックは、どこかイロニカルな雰囲気を残す。また、多く登場したシャツについてデザイナーの岩谷俊和は、「シャツという普通なものを自分が扱ったらどうなるのか、そこに挑戦したかったんです。身の回りにあるものを使うというスタンスは、今季のコンセプトでもありましたから」とコメント。
続くウィメンズでは、フリルやレース、パール、ファーやフラワーモチーフをふんだんに使用。裾の大きく広がったスカートで、おもいっきりガーリーなスタイルを披露した。中でも特に印象的だったのは、スカートの中に花のコサージュが入っているという斬新なドレス。デザイナー曰くこれは、次の日には捨てられてしまう花屋に飾られた花のように「綺麗と汚いの表と裏」をイメージしているという。
ドレスキャンプらしい、主張の強いテキスタイルは今季も健在だ。レオパード柄、ダルメシアン柄、チェック、水玉、フラワープリントなど、1枚でも主役級の存在感の柄を柄にオンしているのに、きちんと1つのコーディネートにまとめられているのは、ユニークな世界観を確立しているドレスキャンプだからこそ成せる業。
アクセントになったアクセサリー使いも、本コレクションのポイントのひとつ。眩いほどにキラキラと輝くメンズシューズ、広い前つば全面にファーがあしらわれた帽子、持ち手の部分がファーになったバッグや、顔よりも大きなバラのコサージュをあしらったヘッドアクセサリーなど、インパクトの強いアイテムが多く登場した。
ショーを終えての感想を尋ねられると、「まだ分からないというのが正直なところです。確信のないところを目指していましたから。今回のショーに答えはなく、見た人が決めてくれれば良いかなと思います」と語った岩谷。今のブランドの立ち位置については「ブランドのデザイナーに復帰した後は、それまでとずいぶん状況も変わりましたからね、セカンドステージと言えるでしょうか」と答えた。「皆さんの目にどう映ったかはわかりませんが、これが今僕がやりたいことです」とファンにメッセージを送り、インタビューを締めくくった。