ネイプ(NAPE_)の2024年春夏コレクションが、2023年8月6日(日)に下北沢・アドリフトにて発表された。
「中立であるためには、中立で居続けるという強い意志が必要」──ネイプのデザイナー・山下達磨はそう語る。争うわけではなく、反骨精神を持ちながらも他者との接続を志向すること。ネイプはその難しさと尊さを、“neutral position”と名付けた2024年春夏コレクションによって我々に訴えかけてくる。
今季のキーワードは3つ。一つ目は、ミリタリーテイストに託された“強さ”だ。中でも立体的なポケットを複数配したパンツや、紐を交差状にあしらったブラックボトム、ゆったりとしたシルエットのカーゴパンツなどのボトムス類が、着用者の足取りに確かな存在感を与えている。
二つ目は精神的余裕から来る“慈愛”。例えばそれはカラーリングに表れており、先述したミリタリーテイストに由来するカーキ色やサンドカラーをベースとしながらも、ときおり曖昧なブルーがペイントやプリント、スカーフ等に差し込まれることで、淡く優し気な表情が浮かび上がる。
なお、ジャカード織にはギリシャ神話の“パエトンの墜落”から着想したアフガンストール柄が採用されている。
三つ目は、精神的余裕があって初めて成立する“反骨精神”。ホワイトorブラックのシングルブレストジャケットの背面には、布に覆われた人物がプリントされており、あたかも何かを扇動しているかのように見える。しかしその人物が持っている赤い旗には、実はアラビア語で“昼寝”と書かれている。
ブランド名“NAPE_”の“E”を抜くと“NAP(=昼寝)”になる、という発想から生まれたこのプリント。どんな状況であろうと、自分自身を支配できる強さと余裕を持ち、荒ぶる川の流れに逆らうことも流されることもしない──眩しいほどの青空に、その決意が赤々とはためいている。
さらに、2023-24年秋冬コレクションでも好評を博したスニーカーブランド「フラワーマウンテン(Flower MOUNTAIN)」とのコラボレーションシューズや、「シーショアインク(seashoreinc.)」とタッグを組んだiPhoneケース、ストラップ等が発表された。