神奈川県立近代美術館 葉山では、企画展「葉山館20周年記念 100年前の未来:移動するモダニズム 1920-1930」を、2023年10月7日(土)から2024年1月28日(日)まで開催する。
1920年代は、1917年に起こったロシア革命と、1918年に終結した第一次世界大戦を経験し、国境を超えた移動と伝搬が活発化するようになった時代であった。企画展「葉山館20周年記念 100年前の未来:移動するモダニズム 1920-1930」では、芸術家の国際的な活動を背景に、「近代」の文化が多様に展開した1920年代を再考する。
本展では、日本と外国の文化往来に着目しつつ作品を紹介。日本をはじめアジア各地を旅していたロシアの詩人ヴァシリー・エロシェンコを描いた、洋画家・中村彝(なかむら つね)や鶴田吾郎(つるた ごろう)による肖像画をはじめ、夭折の画家・久米民十郎(くめ たみじゅうろう)や藤田嗣治が海外で制作した作品、来日したロシアの画家ワルワーラ・ブブノワらの作品などを展示する。
本展の見どころのひとつが、1999年以来となる久米民十郎の特集だ。1893年に生まれた久米は、1914年にイギリスに渡って詩人のエズラ・パウンドと交流。キュビスムや未来派の影響のもとイギリスで興っていた「ヴォーティシズム(渦巻派)」など、当時の新潮流にふれて才能を開花させるも、23年、関東大震災のために若くしてこの世を去っている。会場では、《支那の踊り》など、希少な作品や資料を紹介する。
また、本展では、文学者の魯迅が中国で展開した、近代木版画運動にも着目。20世紀初頭に日本で学んだ魯迅は、帰国後の1920年代、木版画の民衆性と美術的価値に目を向け、欧米や日本の版画を中国に紹介している。会場では、洛耶(鄭川谷)《風景》など、こうした動きの最初期の作品を取り上げる。
企画展「葉山館20周年記念 100年前の未来:移動するモダニズム 1920-1930」
会期:2023年10月7日(土)〜2024年1月28日(日) 会期中に一部展示替えあり
会場:神奈川県立近代美術館 葉山
住所:神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1
開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(10月9日(月・祝)、1月8日(月・祝)は開館)、12月29日(金)〜1月3日(水)
観覧料:一般 1,200円、20歳未満・学生 1,050円、65歳以上 600円、高校生 100円
※中学生以下、障害者手帳などの所持者および介助者原則1名は無料
※10月11日(水)、11月3日(金・祝)は観覧無料
※ファミリー・コミュニケーションの日(毎月第1日曜日:11月5日、12月3日、1月7日)は、18歳未満の子ども連れの家族は割引料金(65歳以上のぞく)で観覧可
【問い合わせ先】
神奈川県立近代美術館 葉山
TEL:046-875-2800(代表)