ロエベ(LOEWE)の2024年秋冬メンズコレクションが、2024年1月20日(土)、フランスのパリにて発表された。
今季のロエベは、「コラージュされた現実感」をコンセプトとするようだ。少し敷衍するならば、おそらくこれは、日々人々が目にするものには統一的な全体像や視座はもはやなく、あるのはその時々で捉える断片のみ。それら諸断片を繋ぎあわせることで、ようやく現実感を得ているのだということであろう。
コレクションはだから、見慣れた衣服やアクセサリーが変容し、コラージュされる。ニットカーディガンは、突然トレンチコートに変化。リボンをあしらったシャツは、カジュアルなデニム素材に。リラクシングなパーカーはレザーに。あるいはケーブルニットは、視点を変えたようにその編み模様が斜めに走る。
こうした、ある種現実への反抗的な態度をうつしだすかのようにして、シルエットはダイナミックだ。レザーコートはリラクシングに仕上げ、カーゴパンツはボリューミーに、あるいはダブルコートはショルダーにやや余裕を持たせて抜け感を出している。
今季のロエベは、アメリカ生まれのアーティスト、リチャード・ホーキンスとコラボレーション。ホーキンスは、男性の身体に着目しつつ、ニュースメディアやタブロイド誌、セレブ文化など、多様な要素をコラージュした作品を手がけてきた。コレクションでは、さまざまなモチーフが色鮮やかに用いるその作品を断片化し、プリントやジャカード、刺繍といった手法により、パーカーやパンツ、ジャンプスーツなどに取り入れている。