CFCL(シーエフシーエル)は、2024-25年秋冬コレクションを2024年2月26日(月)にフランス・パリのパレ・ド・トーキョーにて発表した。2022年よりパリ・ファッションウィーク公式カレンダーに参加して以来、初のランウェイショーとなる。
CFCLは、それぞれの着る人に合わせ、柔軟にフィットするニットならではの実用的な応用力に着目してきた。性別やボディサイズに関わらず、どんな人にも応じて寄り添うニットの可能性を、機能的な器の「Ware(ウェア)」になぞらえた「Knit-ware(ニットウェア)」を提案している。
CFCLが今季のテーマに選んだのは、「韻律」を意味する「Cadence」。平日と休日、朝と夜、緊張と緩和といった抑揚を繰り返していく日々の暮らしを豊かに彩り、独特のリズムを生み出していくようなデイリーニットウェアを展開する。
コレクション全体を通して見ると、日常の様々なシーンが浮かび上がってくる。例えば、アセテートと再生ポリエステルのハイゲージリブを用いたアイボリーのディナージャケットや、エレガントなドレープを描くブラックのエプロンドレスは、クリーンな佇まいでオケージョンにぴったり。一方、コンピュータープログラミングニットで作った、メッシュテクスチャの撥水フェンシングジャケットやフーデッドコート、中綿ブルゾンは、身軽でカジュアルに過ごしたい日に活躍しそうだ。
いずれもCFCLならではのミニマルなデザインで、日常の場面の中になじみつつも控えめに優雅さを携えているのがポイント。壺を思わせる形の定番「POTTERY」シリーズのレッドのワンピースには、レーヨンのモール糸を混ぜて編み上げることで生まれる光沢とふんわりとした柔らかさをプラス。また、薄地のシースルーニットトップスから、厚みを持たせてしっかり編み込んだセーターやドレスまで、ダークトーンのラメニットがシャイニーなアクセントとして際立っていたのも印象的だ。
素材が目を引いたのは、「HYPHA」シリーズ。見る角度によって表情をくるくると変えるストライプのボンバージャケットやテーラードジャケットが登場する。いずれもプログラミングによるシームレスなダーツが施されており、着た時に身体を自然に包み込む立体的なフォルムに仕上げている。ボンバージャケットはふわりと身体と程よく距離のあるフォルムに、テーラードジャケットは編地が身体に添うような1着に仕上げている。
加えて、丸いスパンコールを散りばめた「ENCHANT」シリーズもアイキャッチ。光を受けてきらめくスパンコールと、研ぎ澄まされたフォルムが呼応し、存在感をより強めていた。なお、スパンコールは職人の手縫いによるもの。人の手を介さずに機械的に生み出されるウェアをベースにあえて手作業を施し、服の表情に緩急をつけている。
なお、前シーズンから続いてフォーナインズ(999.9)とコラボレーションしたアイウェアを展開。また、アシックス(ASICS)とコラボレーションしたシューズも登場する。
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