展覧会「中国の南と北の美術—陶磁・漆工・絵画—」が、奈良の大和文華館にて、2024年5月31日(金)から6月30日(日)まで開催される。
中国では、広大な地域にさまざまな民族や王朝が興亡し、時代ごとに特色ある文化が育まれてきた。文化の差異は、中国の南方と北方でも大きく現れる。温暖湿潤な南方に対して、北方には乾燥地帯が広がり、冬の寒さも厳しいというように地域ごとに気候、風土、地形が大きく異なっている。こうした土地の特性は、陶磁や漆工の素材、技術の発達、あるいは嗜好にも影響を与えてきた。
たとえば唐時代には、南方では越州窯を中心に青磁が、北方では白磁が盛んに作られている。南宋時代には、浙江省の龍泉窯が青磁窯として台頭。さらに北宋〜金時代には、北方では白土を使って装飾を施す磁州窯とその技法が広まっている。また、絵画においては自然の写生が行われ、さまざまな山水画が生まれた。
展覧会「中国の南と北の美術—陶磁・漆工・絵画—」では、大和文華館が所蔵する工芸や絵画を通して、中国の南方、北方の特徴を紹介。北宋時代の伝趙令穣筆《秋塘図》(重要文化財)や、元時代後期に龍泉窯で作られた《青磁貼花雲龍文四耳壺》などを展示するほか、現代画家・翟建群(テキ ケングン)による紙本墨画淡彩《黄土地》を特別出陳する。
展覧会「中国の南と北の美術—陶磁・漆工・絵画—」
会期:2024年5月31日(金)~6月30日(日)
会場:大和文華館
住所:奈良県奈良市学園南1-11-6
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料:一般 630円、高校・大学生 420円、小・中学生 無料
※20名以上の団体は相当料金の2割引、引率者1名無料
※障がい者手帳の所持者および同伴者1名は2割引
【問い合わせ先】
大和文華館
TEL:0742-45-0544