クレージュ(Courrèges)の2025年春夏メンズ・ウィメンズコレクションが発表された。
去る冬は、ここ数十年のパリでもっとも長く続いた冬であったという。寒さが深まるなか、灰色の雲の向こう側に輝く太陽を夢見ることが、今季のクレージュの発想にあったようだ。
ベースとなるのは、ミニマルな造形性。たとえば、トレンチコートは、フロントには曲線を描く襟を取り入れたり、スリーブにスリットを設けたりと、洗練された線の力によって独特のフォルムを生みだしている。また、ミニドレスは、曲線を描くトップとスカートという簡潔な構成が、存在感あるフォルムをかたち作る。
このように、ストレートなラインを描く洗練された佇まいが、今季のベースにある。トレンチコートやレザーコート、デニムベスト、ワークジャケットなど、いずれも装飾性を抑制し、シルエット自体が引き立つよう仕上げた。
カラーは、冬の曇り空を彷彿とさせるグレーを軸に、ミニマルな佇まいに呼応するベージュやブラックを採用。さらに、曇り空の先の太陽に思いを馳せるかのように、鮮やかなレッドやイエローも大胆に用いた。