キミー(KIMMY)の2025年春夏コレクションが発表された。テーマは「The Ocean Surface」。
ブランドコンセプトであるクラフトとファンクションの二面性を新たに解釈したキミー。コレクションでは、多彩に表情を変える”水面の美しさ”をテーマに、昔ながらの手仕事と先端テクノロジーという相反要素を交わらせた。全体としては、ブリーチやワッシャー加工、切り替えデザインなどを用いて、多様な水面の表情を表している。
例えば、全体にブリーチ加工が施された、ウール生地のトラックスーツ。ブリーチ加工によって薄くピンクがかった色合いからは、夕日に照らされた海の水面の美しさが感じられる。
また、ワッシャー加工の生地を使用したトラックジャケットは、空気を孕むほど軽やかなで、シワ感のある仕上がり。淡いパープルとブラックの色合いは、幻想的な夜の海を表現しているかのようだ。
古いものと新しいものの二面性によって生まれる風合いも、水面の美しさの表現の鍵を握る。ブルゾンは、かつてアメリカで穀物や飼料を出荷するために使われた、「フィードサック」と呼ばれる布製の袋を部分的に使用している。シルクのような光沢をもちながら、少しシボ感のあるリヨセル・ナイロンと組み合わせ、清々しい朝の海のような軽やかな雰囲気を漂わせている。
部分的な生地の切り替えはブルゾンだけでなく、シャツでも見られる。ブラウンベースの総柄のオープンカラーシャツは、中央部分がブラウンの切り替えデザインが施されている。生地感の異なる切り替えは、多彩に移ろう海の表情を思わせるデザインだ。
全体を通して、リラックス感のあるシルエットも多彩に表情を変える水面の表現に欠かせない要素となった。スウェットパンツのように裾にリブ付きのパンツは、ゆったりとした時と共に移りゆく海の水面が表現されている。