展覧会「今津 景 タナ・アイル」が、東京オペラシティアートギャラリーにて、2025年1月11日(土)から3月23日(日)まで開催される。
今津景(いまず けい)は、1980年山口に生まれ、現在はインドネシア・バンドンを拠点に活動するアーティストだ。インターネットなどのメディアから採取した画像を、コンピューター上で加工・構成し、その下絵に基づいてカンヴァスに油彩でを描く作品を手がけてきた。展覧会「今津 景 タナ・アイル」は、今津の初となる大規模個展となる。
2017年にインドネシアへと移住した今津は、この地の都市開発や環境汚染などに対するリサーチに基づく作品を制作するようになった。これらは、今津が生活のなかで実感をもって捉えたものだ。今津はまた、現在の問題の直接的な表現ばかりでなく、さまざまなアーカイブ画像を取り入れることで、歴史や神話、環境問題、フェミニズム、政治といった要素が同一平面上に並置される絵画を手がけている。
本展では、さまざまなイメージが画面上に配置された、今津のダイナミックな作品を紹介。たとえば《Hainuwele》は、インドネシア・セラム島の神話「ハイヌウェレ」に基づくものだ。同作ではこの神話を、フェミニズムや植民地史など、さまざまな視点から読み解き、自身の出産といった個人的な体験と結び付けて表現している。
また、《Anda Disini (You are here)》や《Curiosity cabinet from Ambon》といった作品は、日本とインドネシアという、今津と深い結びつきのある土地にまつわるもの。今津は、さまざまな歴史資料のイメージを画面上に用いることで、自身のルーツである日本と現在生活するインドネシアの関係を掘り下げ、絵画制作を行っているのだ。
今津は近年、絵画制作にとどまらず、3Dプリンターによる立体作品やインスタレーションなども手がけている。本展では、バンドンで行われていたというマラリアの特効薬・キナの栽培にまつわる新作インスタレーションを展示するほか、会場内の随所に骨格標本や土器などの巨大な彫刻を設置する。
展覧会「今津 景 タナ・アイル」
会期:2025年1月11日(土)〜3月23日(日)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー ギャラリー1・2
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
開館時間:11:00〜19:00(入場は18:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、2月9日(日・全館休館日)
観覧料:一般 1,400円(1,200円)、高校・大学生 800円(600円)、中学生以下 無料
※( )内は各種割引料金
※同時開催「紙の上の芸術|収蔵品展082 寺田コレクションより」および「project N 97 福本健一郎」も観覧可
※障害者手帳の所持者および付添者1名は無料
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)