そんなクレアの果敢な姿がストーリーの随所に散りばめられているのもこの作品の魅力。クレアらしさはもちろん、これまで女優という仕事をこなし、大作に出演し続けるブライスらしさも感じられる作品になったようだ。
次に、これまでの女優としての経験について尋ねた。
これまで、スパイダーマンやターミネーターなどの人気シリーズをはじめ、ヒット作に数多く出演されていますが、今までで一番プレシャーを感じた経験は。
父がロン・ハワードであることが一番のプレッシャーです。父が長年築いてきたものを台無しにすることはできないと思っています。だから、デビュー当時は自分の名前に「ハワード」を使ってなかったですし。
日常生活でも、18歳までボーイフレンドを作らないようにしたり、アルコールに関しては今でも一滴も飲んだことがありません。父は私のことを誇りに思ってくれていますし、気にしていないと思いますが…。でも、自分自身の考えで普段からプレッシャーを掛けるようにしています。父の影響は非常に大きいですね。
お父さんの影響を受け、映画を制作する立場になってどのように感じましたか。
映画業界に憧れる人は、この業界に華やかなイメージで入って、過酷な現場にギャップを感じる人が多いんです。でも私は、父のおかげで小さい頃から撮影現場を経験し、そのような気持ちを抱きませんでした。現場では、問題が起きたら議論したり、解決方法を身をもって学んでいく。そのプロセスが一番大事ですし、そういう現場の雰囲気が好きです。もちろん、仕上がった作品が素晴らしいことも大事ですけどね。
偉大な父の背中を見て育った彼女は、常に自分を律する気持ちを持ち、物事に対してまっすぐに向き合い、ハリウッド界を代表する大女優となった。そんな父を気遣い続けていた彼女が、今では息子と娘を持つ二児の母。母としてのプライベートな一面についても話を聞いた。
突然ですが、本日のファッションチェックをさせてください。
ワンピースはクシュニー・エ・オクス(Cushnie Et Ochs)、ブラウスはクープレス(The Kooples)、シューズはサンローラン(Saint Laurent)です。
ファッション以外に気をつけていることはありますか。
子供2人を産んでから、美容に気を使うようになりました。2人とも感受性の豊かな子で、特に息子はメイクをしている時としていない時の違いをとても敏感に気付いてくれるんです。
例えば、アイシャドーの色が明るい方と暗い方どちらが似合うとか。マスカラをした方がいいとか。おとなしい子なのに髪型を変えたり、メイクを変えたりすると必ず褒めてくれるので、もっと頑張ろうと思ってしまうんですよね。
素敵なお子さんですね。
そうなんです!撮影で海外へ行った時、2日間連続でホテルに着いて倒れるように寝てしまっていたことがあったんです。すると、息子がそれに気づいて、パジャマを持ってきてくれました。
2人が私のことを心配してくれているのが分かるので、自分がちゃんとしないといけないって思いますね。子供たちに自分が健康で元気だと思ってもらうためにも、きちんと健康を維持するようにも心がけています。
子供の話になると、止まらなくなるブライス。女優という厳しい仕事をしながらも家庭ではしっかり母の仕事をこなす彼女は、娘に自分が女優をしているという事実を話しておらず、「ママの仕事は洗濯」と言われて初めて仕事の話をしたという話も。子供たちに対して常に健康で元気に振舞えているからこそのエピソードだろう。
今まで父の背中を見続けてきた彼女が、今では逆の立場になった。尊敬できる親になりたいという想いは、この『ジュラシック・ワールド』の最後に描かれるクレアとどこか被るところがある。また、「楽しいことが大好き!」と話すブライスに、コメディタッチのシーンも多いこの作品はぴったりだ。
【詳細】
『ジュラシック・ワールド』
原題:Jurassic World
公開日:2015年8月5日(水)より全国公開
監督:コリン・トレボロウ
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ
原案:マイケル・クライトン(『ジュラシック・パーク』、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』、『ジュラシック・パークⅢ』)
出演:クリス・プラット(『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』)、ブライス・ダラス・ハワード(『ターミネーター4』、『お気に召すまま』)、タイ・シンプキンズ、ニック・ロビンソン
配給:東宝東和
(C)2015 Universal Pictures