演技って、細かいところに普段の所作や私生活が出ちゃうので、そういうところを考え直さなきゃいけなかったですね。
今回はガサツな役だったので、逆にガサツになれなかったんです。自分で言うのも変なんですけど、変に優しさが出ちゃったり。それは美由紀としては、マイナスではなかったけど、今後は内面が出ちゃうので、私生活を改善していかなければいけないんだなって思っています。
それと、日頃から気にしていたんですけど、その人がどう思っているか、相手の受け取り方をなるべく意識して記憶するということも心掛けていました。演技に活かせるように、こう言われたらこういう反応するんだとか、こういう人はこういう発音の仕方をするんだ、こういう言葉の出し方をするんだとか、ボキャブラリーを増やしていました。やっぱり、人から学ばなきゃ人にはなれないので。
いまは、人に興味がどんどん湧いています。元から人をじっと見るのが好きなので、もう人間観察自体が、趣味になりつつあるんじゃないですかね。仲のいい人だと、次何を発するかわかるんですよ。
最初は、文字で美由紀を知るので、色々と考えていました。
美由紀と似ている部分もあるんですけど、私は基本的に受け入れ体質。何でも“いいよいいよ”って順応していくタイプなんです。自分を美由紀だと思うことで“こう生きているからこういう感情が芽生えてくる”とか、(論理的には)あまり深く考えなかったですね。美由紀について考えるのではなくて、美由紀になることで、彼女の人柄を自然と覚えていきました。
そこから、個性は自分で作るものじゃなくて、自分を知ったり考えたりすることで、生まれてくるものなんだなってことも知りました。
根っこがネガティブで、そこから這い上がるので、思考はポジティブ。
よくも悪くも考えすぎるので、一回落ち込むんです。だけど、考えすぎるというところは変わらないなら、それをうまく利用するしかないなと思って。それに、ネガティブでコンプレックスが多いと、よくしようという過程で色々と学ぶんですよ。
事細かくありますよ。みんながいいと言ってくれるところがコンプレックスの場合もありますし、顔のパーツ一つ一つ細かいところもそうですし。
そのよくしようという過程を発信すること、これが等身大の部分だと自分で思っていて、今の子たちに響いたのかもしれませんね。
10代の子はみんな素直。よくなければよくない、いいものはいいといってくれるんです。ファンの子に言ってもらうのはもちろん、マネージャーさんから言ってもらうことも、全部リアルタイムに言ってもらえるので、自分のためになっています。自分のためになっていることが、人のためにもなっているのであれば、ラッキーだなって思いますし。
私、小さい頃から変わらないところがあって。美味しいもの食べたとき「ねえママ、美味しいよ、食べて」って言ってた、そのまま成長してしまったというか。だから「ねえねえ、聞いて」っていう感じで、いつもブログやSNSを発信しています。
モデルの現場では、いかにフランクになるか、それと愛情を持つことを心掛けています。それが、次の仕事につながるきっかけにもするんじゃないかなって思って。スタッフさんに声を掛けたり、いろんな人に話して「次、こういう仕事したいね」って盛り上げて、「エライザとの仕事楽しい」って思ってもらえたらいいなと考えています。
簡単なことでいうと、モデル業と違って待ち時間が長かったり、誰かが何かを運んできてくれたり、ちやほやしてもらえることがないです。そういう甘い環境にいることを自分で気付かなきゃいけなかったり、私生活の部分で気をつけなきゃいけなかったりと、モデルはモデルで大変なこともあるんですけど。
でも、女優のお仕事は、皆がこれまでやってきたことを本番に全部ぶつけて、現場でセッションするような感覚。他のキャストが、いまどういう状態でいたいかを何倍も考えなきゃいけませんでした。