清水茜の人気漫画「はたらく細胞」が永野芽郁と佐藤健をW主演に迎えて実写映画化。2024年12月13日(金)に公開される。
「はたらく細胞」は、人体で働く無数の細胞たちを擬人化し、彼らが病原菌と戦う姿を描いた作品。個性豊かな細胞キャラクターたちが繰り広げるドラマや、“楽しみながら勉強にもなる”学習要素で人気を博している。
実写映画化が難しいとも思えた本作だが、これまで『翔んで埼玉』『テルマエ・ロマエ』などを手掛けた監督・武内英樹の指揮のもと、豪華制作陣&キャストによって実現。物語は、不摂生な生活が続く漆崎茂(阿部サダヲ)と、その娘で高校生の漆崎日胡(芦田愛菜)を取り巻く<体内の世界>と<人間の世界>の両視点で展開される。およそ37兆個もの細胞が存在する<体内の世界>を舞台に、映画史上最小の登場人物=細胞たちの人々の命をかけた「体内史上最大の戦い」を描く。
「体内史上最大の戦い」をよりリアルなものにするため、監督の武内英樹は、そのこだわりを旧知の仲でもある衣装デザイナー・柘植伊佐夫(つげいさお)に託した。柘植は、これまで『おくりびと』『シン・ゴジラ』『翔んで埼玉』『シン・仮面ライダー』『岸部露伴は動かない』といった作品においてもその手腕を発揮した。
未だかつて誰も生身の人間で再現したことのない、細胞たちのユーモラスな衣装やヘアメイクへのこだわりを映画視聴前に知れば、より作品の世界を楽しめるはずだ。
まず念頭に置いたのは、作品を見た人に「この表現だったら実写にして良かったね」と言ってもらうための衣装。原作のイメージを残しつつも、ほんの少しアートが感じられるようなデザインを目指した。
各細胞のイメージがはっきりしている原作を知る人でも、それを損なうことのないよう、よりキャッチーに、独創的になるように、細部まで何度も微調整を行った。その中で、一歩間違えれば違う戦隊もののようになってしまうことを危惧し、作品に共通する“ユーモア”は忘れなかった。プレッシャーを感じつつも、“文化祭みたいなノリ”でワイワイ楽しく製作を進めたそうだ。
まずは、漫画・アニメのイメージを忠実に落とし込んだ、4つの細胞キャラクターの衣装とヘアメイクに着目していこう。
永野芽郁が演じる<赤血球>は、体内の各器官に酸素を届けるため奮闘する細胞。赤い髪がトレードマークだ。酸素を運ぶ“配達員”を彷彿とさせる、アクティブな彼女たちは、実際の赤血球の形をした赤い帽子をかぶり、ショート丈のジャケットとショートデニムパンツの軽装を身に着けている。
衣装決定までは、「どのような赤なのか」「その赤の素材はどういうものか」「帽子の大きさと形はこれが本当に理想なのか」など細かい検討が重ねられた。
<赤血球>は男女問わず多数おり、そのほか赤血球役として板垣李光人と加藤諒が登場している。阿部サダヲが演じる漆崎茂のブラックな体内環境で働く彼らの活躍にも注目だ。
<白血球>は、体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物を排除することが主な仕事。そのため、手にはナイフを持ち、戦いやすい“武闘派”な服装が採用された。
白いミリタリー風のセットアップは、ポケットのサイズ感、ベルト、ナイフ、ブーツといった小物のデザインまで入念に試行錯誤。アイラインを黒で強調した白塗りの顔、髪の毛の長さなど、1つ1つ納得いくまでチェックを行った。佐藤健が熱演する<白血球>は、アクションシーンも多く、彼の躍動に思わず目を奪われることだろう。
細菌やウイルス感染細胞などの異物を破壊する、強力な殺傷能力を持つ免疫細胞の主力部隊である<キラーT細胞>は、山本耕史が文字通りの体当たり熱演。どこか警察の特殊部隊を思わせる、肘パッドやこん棒を身につけた黒ずくめの衣装が特徴だ。