<マクロファージ>は、細菌などの異物を捕らえて殺し、抗原や免疫情報を見つけ出すのが役割。普段は、幼い赤血球たちの育成係を担っており、優し気な印象を与えるふんわりパフスリーブのフェミニンなドレスを纏っている。スリーブの立ち上がったラッフルやメイクから、どこか凶暴な一面を感じさせる鋭いニュアンスも。
柘植は、体内で擬人化した細胞・細菌たちが重力・形状・サイズを無視した形で動いていることから、サーカスのような印象を受けたという。そこで参考にしたのが、身体を意のままに操り、芸術性の高いパフォーマンスを展開するサーカス・エンターテインメント集団シルク・ドゥ・ソレイユだった。
独特の「無重力のような、自由で夢がある芸術性」を叶えるため、実際にシルク・ドゥ・ソレイユの衣装製作の担当者に参加を懇願。舞台と映像における見た目の距離感に注意を払い、アップで映っても、違和感が生まれないように細部までこだわりを詰め込んでいった。特にインスピレーションを色濃く反映させたのが、人体にとって悪い影響を及ぼす“細菌トリオ”だ。
肺炎などの原因となる<肺炎球菌>は、頭や背中から伸びる、うようよと蠢く触手が気味の悪さを感じさせ、触手に並ぶ赤い斑点が細菌の“悪さ”を助長している。そしてその存在感ある衣装に負けないパワフルなヘアメイクにも注目だ。白塗りをベースに、衣装と同じく青と赤を織り交ぜ、アイメイクに力を入れた。
演じた片岡愛之助は「今後しないであろう特殊なメイクや衣装のおかげもあって世界観に入り込みやすかった」と話しており、衣装が演じる気持ちを盛り上げてくれていたようだ。
身体に合わせて衣装合わせ、メイクテストを何度も行ったという、新納慎也が演じる<黄色ブドウ球菌>の衣装。表皮感染症、食中毒、肺炎、髄膜炎、敗血症などを引き起こす<黄色ブドウ球菌>の毒性を表現すべく、肩から腕、胸にかけて大きなトゲをあしらい、ウイルスの表面を彷彿とさせるゴツゴツとした質感をボディ全体で表現した。
小沢真珠が演じる<黄色ブドウ球菌>は、咽頭、消化器、皮膚などに生息し、多様な疾患の原因となる細菌だ。名前から連想する通り黄色の球体で構成された、禍々しくも美しいボリューミーなドレスを身に纏う。強調されたアイメイクには、ドレスと連動する黄色の球体をあしらった長いまつ毛をセレクト。黄色い八重歯もポイントだ。
見た目からも想像できるが、このダイナミックなドレスは実際にかなり重かった模様。演じる役へのプレッシャーとあわせて、小沢は「いつもの何倍ものパワーが必要でした」と語っている。
映画『はたらく細胞』では、言われないと気が付かないようなところまで作り込み“忠実さ”を求めたが、映画ならではのユーモアも少し織り交ぜた。胸に「手下」と白文字で書かれた細菌の部下は、映画でのみ出会えるオリジナルキャラクターだ。
映画史上最“小”の主人公、その名は、細胞!人間の体内の細胞数はおよそ37兆個。酸素を運ぶ赤血球、細菌と戦う白血球、そのほか無数の細胞たちが、あなたの健康と命を守るために日夜全力ではたらいているのだ。
高校生・漆崎日胡は、父親の茂と2人暮らし。まじめな性格で健康的な生活習慣の日胡の体内の細胞たちは、いつも楽しくはたらいている。一方、不規則不摂生に日々を過ごす茂の体内では、ブラックな労働環境に疲れ果てた細胞たちがいつも文句を言っている。親子でも体の中はえらい違いだった。
仲良し親子のにぎやかな日常。しかし、その体内への侵入を狙う病原体たちが動き始める。漆崎親子の未来をかけた、細胞たちの「体内史上最大の戦い」が幕を開ける!?
【作品詳細】
映画『はたらく細胞』
公開日:2024年12月13日(金)
監督:武内英樹
脚本:徳永友一
出演:永野芽郁、佐藤健、芦田愛菜、山本耕史、仲里依紗、松本若菜、染谷将太、板垣李光人、加藤諒、加藤清史郎、マイカ・ピュ 、深田恭子、片岡愛之助、新納慎也、小沢真珠、Fukase、塚本高史、一ノ瀬ワタル、DJ KOO、阿部サダヲ
原作:清水茜「はたらく細胞」(講談社「月刊少年シリウス」所載)
配給:ワーナー・ブラザース映画
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