アシードンクラウド(ASEEDONCLOUD)の2015-16年秋冬コレクションは、とても静かで、とても不思議、そしてとても素敵な時間が流れている村の物語。その村では秋から冬にかけて、男たちは遠くへ出稼ぎに行く。残された女たちと子供たちは、冬眠して、春の訪れと男たちの戻りを待ちわびる。
今季の主人公は、冬眠できず、たった一人残されてしまった女の子。父と母がいないなか、日記や手紙を書き、両親のワードローブにいたずらをして、一人ぼっちで長い冬を過ごしている。切なくて悲しい、でもワクワクするような彼女の気持ちを表現していく。
春の訪れをカウントダウンするように、少女はひと月に一つ神様を創った。それはそれは可愛い神様で、神様たちと揃いの洋服もこしらえていく。
コットンワンピースには金の刺繍を施し、ノーカラージャケットには金のパーツを飾り、マルチカラーのマフラーはベストに変形させた。温かい布団は、くるっと体を包み込むガウンジャケットに変身させて、いつでも体はぽっかぽか。両親の洋服に手を出して、大きなポケット付きのワイドパンツやちょっと身幅の大きいトレンチコートも完成させた。
少しずつ雪がとけはじめ、あたたかい風が吹き、もう春はすぐそこ。凍てつく寒さを乗り越えた山や森が、色鮮やかな花々をプレゼントしてくれた。優しいフラワーは真っ白なジャケットに添えて、いつもより少しオシャレをして、父の帰りを待つ。母の眠りが覚めたころ、村にも活気が満ちてきた。輝きに包まれてたシーンを迎え、今シーズンの物語は、The End。