ナナミカ(nanamica)が2016年春夏コレクションを発表した。
日常になじむアウトドアウェアを提案するナナミカ。彼らは今シーズン、トラディショナルなスタイルをベースに、リラクシングで高機能なコレクションを製作した。カラーはネイビー、ヘザーグレー、ベージュなどのアースカラーが中心。イメージは「粗野と洗練が同居している様な感覚」だという。
今回は旅がテーマなだけに、その目的にぴったりとはまるアイテムが多くそろう。旅をする服に適しているのは、楽であること、動きやすいこと、タフであること。例えばトレンチコートは、サイズが大きめに作られているためリラックス感があるけれど、Cotton GORE-TEX素材で耐久性・防水性にも配慮。 反対に、特殊な加工の生地を使用したシングルトレンチコートは、海水で洗った様なゴワつきとシワを残し、古着の様な雰囲気に仕上げられた。 濃淡の色糸で織り上げたマドラスチェックのステンカラーコートもGORE-TEX素材を使用していて、こちらは60年代にアメリカのキャンパスで着られていたコートを彷彿とさせる。
全体的にカジュアルな印象だけれど、よく見ると実はセットアップも多く登場している。ウィンドジャケットとカーゴパンツのセットアップに、ドレープ感のあるMA-1とショーツのセットアップ、少し光沢がある素材を使ったライトグレーのスーツまで。かたちこそ様々でありながら、春夏らしく、どれも軽いタッチにこだわった。
ハイテクであり、ナチュラル。この一見矛盾するような個性を持った、でも決して主張しすぎないアイテムたちは、自然と調和するために作られているように感じられる。薄く高機能なコート、セットアップ、ショーツ……「nanamica の奏でる海のリズムが聴こえて来たら嬉しく思います」と彼らは言う。しかしもしかすると、旅の中の風景にも、その先にある海のリズムにさえ、そのまま溶け入るような服でもあるのかもしれない。