「弦屋光溪 現代浮世絵展 “写楽”、その先へ―」が、東京・渋谷のBunkamura ギャラリーで2016年5月13日(金)から22日(日)まで開催される。
弦屋光溪は、存在感のある役者絵と卓越した技術で、国内外から高い評価を得ている木版画家。絵師・彫り師・刷り師のスキルを全て独学で身につけ「現代の“写楽”」と言わしめるまでそのレベルを高めた稀有な作家だ。
左) 「小栗判官」より:九世澤村宗十郎の矢橋の橋蔵と四世市川段四郎の鬼瓦の胴八 1983年作 限定36
右) 「助六」より:十二世市川團十郎の花川戸助六 1985年作 限定54
摺り終えた版木には全てノミを入れ、二度と擦れなくするという光溪。終えた仕事ではなく、常に先を見据えてきた作家が辿り着くのは、浮世絵であって浮世絵でないようにさえ感じさせる。大胆にデフォルメされた顔・表情・構図により役者へ肉迫する内面的写実性の、痛烈な鋭さとユニークさは、当時の気配をしっかりと踏襲しながら、現代を生きる浮世絵と呼べる様式へと昇華されている。
本展では、2000年を最後に終了した大首絵シリーズの貴重な旧作に、猫をモチーフにした戯画、新作のだまし絵シリーズ、光溪のもう一つのライフワークである自画像など、現代浮世絵の醍醐味を味わえる作品の数々を展覧・販売。役者や動物の動きが見て取れるような傑作の数々が集う。
【概要】
弦屋光溪 現代浮世絵展 “写楽”、その先へ―
会期:2016年5月13日(金)〜22日(日)
開館時間:10:00〜19:30
会場:Bunkamura ギャラリー
住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura1F
【問い合わせ先】
Bunkamura ギャラリー
TEL:03-3477-9174