今季の東コレ最終日を飾る一大イベントが、ザ・コンテンポラリー・フィックスのオーナーである吉井 雄一氏がプロデュースする「VERSUS TOKYO」。そのトップバッターとしてファセッタズム(FACETASM)が2011年10月22日に2012年春夏コレクションを発表した。
テーマは、「TO BE CRUCIALLY FREE(決定的に自由であるために)」。隣人と共に、喜び、怒り、哀しみ、そして笑いあいながら、同じ街で生活している自分達の、今この時代に目を向けたという。
ずらりと並んだ蛍光灯が木でできたランウェイを照らし出して、レディスコレクションからスタート。ウエストのペプラム(フリル)が印象的なセットアップに、フリルを重ねたバッスル風スカート、それに女優風のスカーフ使いやラメニット、ケープ付トレンチコートで時代を行き来するミックス感がフレッシュで今っぽい。モデルのヘアも60年代のビーハイブ(蜂の巣)風。
メンズコレクションは前掛け風のオーバースカートやレギンス、ワンピースみたいなロングシャツ、それにガウン風ニットなど、今すぐ着て街に飛び出したくなるスタイルが勢揃いした。カラフルなストライプのふわふわニットやベースボールキャップが、いつまでも憧れの心を忘れない少年の姿を描いている。
今シーズンも、ファセッタズムならではのオリジナルなテキスタイルが明るく華やかにコレクションを彩った。花畑の印象を残したノスタルジックなサテンプリントやトラッドな雰囲気も持ち合わせたマルチカラーのストライプ、ブルーのグラデーションが鮮やかなタイダイ染めなどが次々と組み合わされる。そこへヴィヴィッドカラーの厚底シューズとユニークなチェーンソーバッグも参加して、ドラマティックで新感覚の東京スタイルを見せつけた。
夢中にあがきもがきながらも自分に正直に歩き続ける若者達、そして自分達へのエールを込めたパワフルなコレクション。