「シャセリオー展―19世紀フランス・ロマン主義の異才」展が上野・国立西洋美術館にて開催。会期は2017年2月28日(火)から5月28日(日)まで。
19世紀フランスのロマン主義画家テオドール・シャセリオー(Théodore Chassériau)。新古典主義を代表する画家アングルを師に持った彼は、「この子はやがて絵画界のナポレオンになる」と言わしめるほどの才能の持ち主であった。
左)《カバリュス嬢の肖像》テオドール・シャセリオー 1848年 カンペール美術館、
Collection du musée des beaux-arts de Quimper
右)《サッフォー》テオドール・シャセリオー 1849年 ルーブル美術館(オルセー美術館に寄託)
Photo©RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Adrien Didierjean / distributed by AMF
この画家の作品の魅力を際立たせるのは、彼の生い立ちや画家人生における様々な葛藤や孤独感であろう。スペインの旧植民地に生まれ、父親は不在。そして、師アングルから学んだものとは矛盾する方向へと進んで行く自分の芸術観。複雑なバックグラウンドを持つ彼から生み出される作品は、独特のメランコリックな情熱を持ち、観るものの心を揺さぶる。
右)《アポロンとダフネ》テオドール・シャセリオー 1845年 ルーブル美術館
Photo©RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Philippe Fuzeau / distributed by AMF
左) 《東方三博士の礼拝》 テオドール・シャセリオー 1856年 プティ・パレ美術館
© Petit Palais/Roger-Viollet
そんな彼は画家人生を通じて、様々な様式や主題に取り組んだ。初期のアングルを唸らせた、細かく精密な筆致と調和のとれた美しさを持った作品。そして、それとは相反する、荒いタッチで溢れる怒りや嘆きなどの感情を描きだしたドラマチックなロマン主義的作品。そして、ユダヤやアラブの人々を描いた東方主題や、晩年の主教主題まで。本展で紹介される、彼の初期から晩年までの作品約110点を見れば、彼の芸術観の変化が見て取れるだろう。
さらに会場では、写真や資料などによってシャセリオーの画業全体を紹介するとともに、師や仲間、そして彼から影響を受けた画家たちの作品を展示。彼の作品だけでなく、その時代の美術の動きまで見て取れるだろう。
【詳細】
シャセリオー展―19世紀フランス・ロマン主義の異才
会期:2017年2月28日(火)〜5月28日(日)
会場:国立西洋美術館
住所:東京都台東区上野公園7-7
開館時間:9:30〜17:30 / 毎週金曜日 9:30〜20:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日 (ただし、3月20日(月)、3月27日(月)、5月1日(月)は開館)、3月21日(火)
観覧料:
・当日:一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円
・前売 / 団体:一般1,400円、大学生1,000円、高校生600円
※上記前売券は2016年10月14日(金)~2017年2月27日(月)まで販売。ただし、国立西洋美術館では2016年10月15日(土)~2017年2月26日(日)まで販売。
※団体料金は20名以上。
※中学生以下は無料。
※入館の際に障害者手帳の提示で、付添者1名を含め無料。