僕は8歳のときからアートが好きだった。インドでは田舎の小さい町に住んでいたんだけど、11歳でロンドンに行った時にロンドンのアートやクリエーション を目にしてすごく感動して。そこで13歳でアートを学ぼうとしたんだけど、先生が、アーティストとしては一流だったけど指導者としてはいけなかった。だから自分で学ぶことにして、スーパーマンとかバットマンとかのコミックを見て練習したら、数ヶ月後にはもっとうまく描けるようになったんです。
そこで2年後 に同じ先生に見せに行ったら、僕が書いたって信じてくれなかった。だからもうクラスには戻りませんでしたよ。その時僕こそが僕自身の先生だって悟ったのです。 そういう風に、僕はいつでも強い意志を持っていたし、成功を求めていた。だからバッグデザインも自力で学んで、母に縫ってもらっていたんだ。今の自分がいることを、毎朝 起きる度に神に感謝してます。
そう、うちのバッグのレザーはすべてイタリア製で、スペシャルな加工を施してオリジナルな風合いを出してる。レザーはこの風合いが重要なんです。手触りが悪いとどんなにデザインがよくてもダメだし。 大切なのは3つの「Sense」、”Sense to See”、”Snse to smell”、そして”Sense to touch”だ。すべての感覚に訴える美しくソフトなレザー、それに、実用性と機能性を兼ね備えたデザインが加わって初めて魅力あるバッグができるのです。
僕のバッグはタフであることもキーポイントだよ。以前大阪のショップを訪れた時、ある女の子が来てくれたんだけど、その子は5年前から使っているJas M.B.を持ってた。さらに、その後、道で出会った男の子はなんと10年前から愛用しているバッグを持っててくれたんだ。 タイムレスな商品であることは重要です。今日も明日も10年後も、一生を通じて、そして世代を超えても使えるバッグを作りたいといつも思っています。色やサイズとか人には好みがあるから、それぞれに合うようにバリエーションを増やして。
パンチングレザーのバッグ。パンチングレザーの雰囲気が好きで、軽めだし使いやすい。これは3年くらい使ってますね。
もちろん。日本は大好き。友人も沢山いるんだよ。日本は今は大変な時だから何かしたいけど、私の手は小さい。でもできるだけのことをしたいと思います。本当は災害でも事件でも、それが起こった当事者じゃないと分からないと思うのですよね。
僕は11歳で父を亡くして、その時初めて愛する人を失うことの悲しみを知った。それを乗り切るためにはとても強い精神力が必要でした。でも、大好きな父が残してくれた言葉があって、それが 「If you create anything with your hands, your stomach will be full all the time and nothing is impossible (もし自分自身の手で何か作りだすことができれば、いつでも食いっぱぐれることはないし、不可能なんてない)」。父はとても才能がある素晴らしい人だった。この言葉がずっと心にあったから、ポジティブに生きてこれました。今天国で僕をことを見ていてくれるといいな…。
僕はアフリカ(ケニア)で生まれて4歳のときにインドに行きました。その時、父だけはアフリカに残って、僕が11歳の時にロンドンへ渡ってそれから父と一緒に暮らせるようになって。でもそれからたった6カ月で父は亡くなってしまったから、実は父と一緒に暮らしたのは生まれてから最初の4年とロンドンでの6カ月間だけです。だから父とはいい思い出しかなくて…。もっと一緒にいたかったしもっと学びたかったですね。
いいことを教えてあげましょう。落ち込んだ時は、目を閉じて人生で一番幸せだった時を思い出すんです。そして、想像する。プリンセスになっても、南の楽園に行ったっていい。イマジネーションに限界はないから。そんな幸せなひとときは、いつでも僕にアイディアやインスピレーションを与えてくれる。僕がポジティブでクリエイティブな毎日を送っている秘密です。
【店舗詳細】
Jas-M.B. Tokyo [地図を見る]