ヴァレンティノ(VALENTINO)が2017-18年秋冬メンズコレクションを、2017年1月18日(水)フランス・パリで発表。何を身につけるかを、過度に「意識しすぎないこと」により浮かび上がる穏やかな個性に着目し、本能的な美しさを洋服や着こなしに落とし込んだ。
ちょっとした崩壊や、緩やかなねじれ。奔放さを意識しないまま、ゆったりと浮かび上がる奔放さが生む特徴的な魅力が、まさに男性性を決定づける。それがジェントルマンであろうが緩やかな男性であろうが特に優劣はなく、それぞれの個性としての愛されるのだ。
フランシス・ベーコンの絵画のように、奥深く眠るエッセンスを引き出し施すデフォルメ。その突然の誤作動のような疼きが美しい。突然ランウェイを彩るパステルカラーや、マントに貼り付けられたメッセージ、あらゆる要素に一貫性を加えるように添えられたキャップ。これらの組み合わせが、年齢を超えた楽しさとして表現されている。
しかしながら、これほどまで多彩な個性を上質にくくりあげるのも、また直感だ。それは洋服作りの根底に流れる伝統の順守であり、メゾンらしい丁寧なファブリックなどをきっちりと使っているところにも通づる部分であろう。