ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)の2017-18年秋冬コレクションがイタリア・ミラノで発表された。
デザイナーが現在興味を抱いているミレニアルズ世代にフォーカスした今シーズン。ミレニアルズとは、1980〜1990年生まれで2000年以降に成人をむかえた世代であり、インターネットが普及し、スマートフォンを巧みに使う彼らは、これまでの世代と異なる価値観を持っているとも言われている。
ランウェイには、プロのモデルとともに世界各国のミレニアルズが登場した。49名のミレニアルズの中には、モデルのソフィア・リッチーやスタローン姉妹などの女性も含まれている。
ショーの幕開けは、20歳の歌手オースティン・マーホンのライブパフォーマンスだ。彼の歌声は一気に観客のハートをつかむ。そして、スタートと同時に会場に設置されたモニターでは出演モデルが紹介されていく。
中世ヨーロッパを想わせるルックがランウェイを飾る。そうは言っても今までなかった発想をもつ彼らのスタイリングは奇想天外。ドレッシーなダマスク柄のスーツこそクラシカルであったが、あとは自由奔放な組み合わせ。古典的な花柄をパッチワークで配したダウンは、煌びやかなスカーフ柄のパジャマ風セットアップに足元はラフなサンダルだ。
また“ニセモノ”を多用しているのも若者らしい発想。ニットやトップス、しいてはテーラードジャケットに至るまでが、ナポレオンジャケットのトロンプイユになっていて、金装飾などはあくまで本物風だ。
SNSを駆使するミレニアルズ世代の大好物であるフォトジェニックなアイテムは、華やかなランウェイに欠かせない存在となった。度々姿を見せた動物たちがその最たるもの。なかにはトラを背負うバックパックから熊の顔と手が付いたスタジャンまでが繰り出されている。
「僕が王様だ」と言わんばかりの王冠は、リーマンショックなど厳しい時代を生き抜いたミレニアルズの密かな主張なのだろうか。そんな彼らに魅せられたデザイナーの2人が、最後のルックでは同じく王冠をかぶっている。エンターテインメントたっぷりのショーは、今を生きる若者への賞賛の声なのかもしれない。