ミスター・ジェントルマン(MISTERGENTLEMAN)の2017年春夏コレクションが発表された。
まだどこか見覚えのあるような80年代から90年代、ティーンの男の子が好んだファッションを現代風に解釈した今シーズン。デニムはキー素材のひとつである。スーパースキニーデニムは、ブルー、ブラックはもちろん鮮やかなカラーでブリーチされた。パンツはいかにも当時の流行を押さえたスタイルで、シャツをタックインしてサスペンダーを、あるいは長袖のボーダーカットソーとだぼっとしたTシャツを合わせている。
テキスタイルで目立ったのはチェック柄。タータンの一種であるクラシカルなブラックウォッチから、グレンチェック、オーバーチェック、そしてギンガムチェックまで。懐かしさを感じてしまうのは、色合わせや、模様の波長が微調整されているからだろう。また、デフォルメしたワードローブのサイズ感もおそらくその理由。
ディテールのポイントとして置かれたボックス型の前立ては、アウターの上で強烈なアクセントとなっている。組み合わせが面白く、ブラックウォッチにマスタード、デニムにUKカモフラージュ柄など遊び心が光っている。また、モダンな解釈としてブランドの刻印が入ったアイレット(金具)や、テープ部分が色鮮やかなジッパーを随所に施したアクセントも印象的だ。
スタイリングはTシャツやジャケットのレイヤリングや、Gジャンに合わせるスタンダードなチノパンなど、レトロなニュアンスに拍車をかけるチョイス。特に、シャツとTシャツの重ね着は斬新で、このコレクションでのその時代の再来を喜ぶかのように自由なものである。