現代アートの国際展「ヨコハマトリエンナーレ 2017」が、2017年11月5日(日)まで、横浜美術館や横浜赤レンガ倉庫、横浜市開港記念会館地下などで開催。
「ヨコハマトリエンナーレ」は3年に一度開催される現代アートの国際展。世界の現代アートが横浜に集結するこのエキシビションは2017年で6回目を迎え、過去開催時には総来場者数20万人超を記録した。
2017年のテーマは「島と星座とガラパゴス」。島や星座は孤立しているようで見方を変えると繋がっていることから、「接続」と「孤立」を表すキーワードとして捉え、相反する価値観が複雑に絡み合う世界のいまを考えていく。
美術館といえば撮影禁止が基本。しかし、ヨコハマトリエンナーレはすべての作品が撮影可能。世界中から集まった約40組のアーティストたちの作品をSNSにアップすることもできる。
1人のアーティストの作品が個展のように複数展示されているのは、今回のテーマ「島と星座とガラパゴス」を表現するため。個々の展示が島や星座のようにつながっているような感覚を味わうことができる。
会場の規模も通常の展示会よりはるかに大きい。しかし、広いスペースを用意するのではなく、みなとみらいエリアのユニークな3つの施設を会場としてセッティングし、「横浜だからできる」エキシビションに仕上げている。会場づくりから演出が始まるのが「ヨコハマトリエンナーレ」なのだ。
第一の会場は横浜美術館。敷地面積19,000平方メートル超を誇るこの会場では、館内の展示だけではなく、館外での大型インスタレーションも実施。館内では主にダイナミックな作品が展示され、作品のビジュアルだけでなく、そこから発信されるメッセージにも強いインパクトを受ける事間違いなしだ。
中国・北京出身のアイ・ウェイウェイは現代アーティストとしてだけでなく、建築家や評論家としてもマルチに活躍する人物。今回のヨコハマトリエンナーレでは、救命ボートと、実際に難民が着用した800着もの救命胴衣を使った大型インスタレーションを展開し、難民問題について訴える。
2016年に開催されたグッチのアートプロジェクト「GUCCI 4 ROOMS」にも参加した、キューパ出身の日本人アーティスト、ミスター。漫画やアニメからインスパイアされた作品はポップでありながら、どこか寂しさやノスタルジーを感じる。
観光やデートの定番スポットである横浜赤レンガ倉庫も、ヨコハマトリエンナーレの会場の1つ。マッサージ台に寝て鑑賞する作品など、ここでしか出会えないユニークな作品も多い。
ドイツのアーティスト、クリスチャン・ヤンコフスキーは、ポーランドの重量挙げナショナル・チームの現役選手が、ワルシャワ市内にある記念碑的な公共彫刻を果敢に持ち上げようとする様子を、ユーモアとペーソスに満ちた映像と写真で表現。一度見たら忘れられない作品だ。
3つの会場の中で最もユニークなのがこの横浜市開港記念館の地下会場だ。地下は普段は入ることができない特別なスポット。いつもとは一味も二味も違う雰囲気で作品を鑑賞することができる。