企画展「日本の絵本100年の歩み」が、ちひろ美術館・東京にて2017年11月8日(水)から2018年1月31日(水)まで開催される。
1910年代から現在までの各時代を代表する作品約100点と資料を通し、日本の絵本の誕生から発展までの軌跡をたどる。本展では、絵本100年の歩みを語るうえで外せない5つの転換期をメインに紹介していく。
1910年代大正デモクラシーの機運を背景に、『赤い鳥』など童話や童謡をのせた絵雑誌や絵本が生まれた。子ども向けながら高い芸術性を持ち、ここから「童画」が生まれ、日本独自の絵本文化が始まったといえる。時は過ぎ、第二次世界大戦終了後、未来を築いていく子どもたちの為に絵本には多くの希望が満ち溢れていた。1960年代は、瀬川康男の『いないいないばあ』など、今なお愛され続けているミリオンセラー絵本が数多く誕生した。
1970年代に入ると「絵本ブーム」が到来。言葉のない絵本や、読者を子どもに限定しない絵本など、従来の枠組みを超えるような作品が多く生まれた時代であった。その後、「絵本の停滞期」といわれた1980年代を経て、1990年代以降は個性豊かな画家たちにより既成概念にとらわれない自由な発想、表現の絵本が生まれた。
2000年代になると同時多発テロに端を発した紛争、2011年の東日本大震災などの大災害を経験し、絵本においても命の重さや、人との絆、心のつながりを意識した作品のほか、荒井良二の『きょうはそらにまるいつき』のように日常の些細なことに幸せを感じられるような作風が多くみられる。
幼少期の子ども達に多くの影響を与える「絵本」。100年の軌跡を辿ることによって日本の絵本の歴史を知るとともに、作品を通して、各時代の作り手となる大人がどのような希望を子ども達に託したかったのかを感じることができるだろう。
企画展「日本の絵本100年の歩み」
開催期間:2017年11月8日(水)~2018年1月31日(水)
開催場所:ちひろ美術館・東京
住所:東京都練馬区下石神井4-7-2
開館時間:10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(祝休日は開館、翌平日休館)、年末年始(12/28~1/1)、冬期休館(2/1~2/28)
入館料:大人800円/高校生以下無料
団体(10名以上)、65歳以上、学生証提示者、公式サイト割引等特典提示者は700円。
障がい者手帳提示者400円、介添人1名までは無料。聴覚障がいの方は無料。