特別展「江戸の戯画 ―鳥羽絵から北斎・国芳・晩斎まで」が、2018年4月17日(火)から6月10日(日)まで大阪市立美術館にて開催される。

「江戸の戯画展」は、滑稽な人物を軽妙なタッチで描いた"鳥羽絵"をキーワードに、江戸時代の戯画約280件を展示する特別展。鳥羽絵を洗練させた耳鳥斎(にちょうさい)の作品をはじめ、鳥羽絵から影響を受けたとされる葛飾北斎や歌川国芳らの作品を通して、江戸時代に描かれた様々な笑いの世界が紹介される。なお、本展は巡回の予定がなく、大阪1会場のみでの開催となる。

世界初・歌川国芳の「金魚づくし」シリーズ全9作一挙公開

本展の最大の見どころは、4月17日(火)から5月13日(日)の前期限定で、歌川国芳の「金魚づくし」シリーズ全9作品全てが世界で初めて一挙に公開されることだ。江戸における戯画の名手としては、他に勝るものがいないとされる歌川国芳。その作品の中でも高い人気を誇る「金魚シリーズ」では、金魚たちがにわか雨の中で傘をさしたり、いかだに乗ったりする様子が、愛嬌あるタッチで描かれている。

鳥羽絵を洗練させた耳鳥斎

鳥羽絵をキーワードとする本展では、鳥羽絵を洗練させたと言われる大阪の絵師・耳鳥斎の作品も必見だ。略筆で描いたユーモアのある画風が人気を博し、その人気は近年まで続いた。鬼や亡者が繰り広げる滑稽な様子が描かれた代表作「地獄図巻」が出展される。

貴重な北斎の戯画がベルギーから里帰り

葛飾北斎の戯画はあまり知られていないが、現代人が見ても十分楽しめるような作品が残されている。謎かけを絵画化したシリーズや、躍動感あふれる人物を描いた「鳥羽絵集会」などが、ベルギー王立美術歴史博物館より里帰りして展示される。さらに、北斎が描いた絵手本として知られる戯画的な要素を含んだ「北斎漫画」からも作品が出展される。

国芳からユーモアを受け継いだ暁斎の戯画

幕末から明治にかけて活躍した河鍋暁斎は、数え7歳の時から2年ほど歌川国芳の下で画を学んだ。のちに暁斎が描いた戯画には、国芳からの明らかな影響が見られ、ユーモアの感覚が受け継がれていることを見て取ることができる。また、「北斎漫画」を意識したとされる「暁斎漫画」などが制作されるなど、先人たちの戯画から多くを学んでいたことが分かる。本展では、そんな「暁斎漫画」から、暁斎が好んで描いた蛙が登場する作品を見ることができる。

詳細

特別展「江戸の戯画 ―鳥羽絵から北斎・国芳・晩斎まで」
期間：2018年4月17日(火)～6月10日(日)
※前期：4月17日(火)～5月13日(日)、後期：5月15日(火)～6月10日(日)
※会期中展示替えあり。
会場：大阪市立美術館
住所：大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-82
時間：9:30～17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日：月曜日(ただし4月30日(月)は開館) ※5月1日(火)も開館
料金：一般 1,400(1,200)円、高大生 1,000(800)円
※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金。
※中学生以下、障がい者手帳持参者と介護者1名は無料。
※大阪市内在住の65歳以上も一般料金。
※前売り券の販売は1月17日(水)～4月16日(月)
プレイガイド：チケットぴあ(Pコード：768-816)、ローソンチケット(Lコード：56475)、セブンチケット、イープラス、阪神プレイガイド、近鉄駅営業所、京阪神の主要プレイガイド、主要コンビニエンスストア

【問い合わせ先】
大阪市総合コールセンター
TEL：06-4301-7285(年中無休 8:00～21:00)