「明治150年展 明治の日本画と工芸」が、2018年3月20日(火)から5月20日(日)まで京都国立近代美術館にて開催される。
「明治150年展 明治の日本画と工芸」では、明治時代の工芸図案をまとめた『温知図録』を始めとする数々の図案とともに、明治時代の工芸品や、図案を描いた日本画家たちの作品を展示。
1873年に、ウィーン万国博覧会へ日本政府が正式に参加したことで世界から関心を集めた日本の工芸品。以後、日本は国家戦略として工芸図案の制作や、工芸品に注力していくようになる。東京遷都により人口が減少していった京都では、地場産業の振興を目的の一つとして「京都府画学校」を設立。多くの日本画家が工芸図案の制作に携わり、改良・進歩を目指して研究が進められた。
近代化していく明治時代の日本社会の中で生み出された美術品を、「明治150年展 明治の日本画と工芸」では「日本画」「工芸」の2つに分類して紹介する。
日本画家達が残した絵画を見ていくと、より近代的なタッチに近づいた、高い芸術性が見て取れる。都路華香の《雪中鷲図》や《水底游魚》は、写実的なタッチで迫力や躍動感を表現。
一方、竹内栖鳳の《羅馬古城図》や森寛斎の《鵞鳥》、幸野楳嶺の《春秋蛙合戦図》は、実際の光景を想像しやすく、現代においても親近感を持てる雰囲気の作品だ。
西洋から明治時代以前も注目されていた、日本の蒔絵や陶磁器などの「美術品」。19世紀後半以降さらに関心が高まり、数多くの工芸品が輸出され、日本は外貨と文化国家としての名声を得る。多くの名工が登場したのもこの時代で、日本工芸史上、一つのピークともいえる作品群が誕生した。
トーマス・B・ブローの《花蝶図輪花皿》は、陶器の皿に色絵や金を施した、絢爛な柄の皿。一面に色鮮やかな花や蝶が精密に描かれ、ダイナミックな華やかさを表現する技巧的な作品だ。
山崎南海の、象牙でできた海老の彫刻《牙彫自在海老》は、まるで本物であるかのように、細部にわたって海老を再現した作品。今にも動き出しそうな程の迫力を持っている。鮮やかな黄色の果実を再現した安藤緑山の《仏手柑》もまた、リアルな立体作品だ。
モダンなデザインが光る花瓶は、川本桝吉(初代)による《釉下彩切子形花瓶》。幾何学的な模様が独特な造形の花瓶による、絶妙なバランス感や美しさが印象的な作品となっている。
明治150年展 明治の日本画と工芸
会期:2018年3月20日(火)~ 5月20日(日)
開館時間:9:30~17:00 ※金曜、土曜は20:00まで
※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日 ※4月30日(月・休)は開館
場所:京都国立近代美術館
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町
観覧料:一般 1,000(800)円、大学生 500(400)円
※()内は前売券、20名以上の団体、夜間割引(金・土曜 17:00以降)の価格
※高校生・18歳未満は無料。
※心身に障がい者と付添者1名は無料(証明できるものを持参)。
※本料金でコレクション展も観覧可能。
※前売券は、2018年3月19日(月)までの期間限定発売。
※会期中に展示替えあり。