「ルーヴル美術館展 肖像芸術——人は人をどう表現してきたか」が、2018年9月22日(土)から2019年1月14日(月・祝)まで、大阪市立美術館にて開催される。

ルーヴル美術館が誇る肖像芸術の傑作が集結

「ルーヴル美術館展 肖像芸術——人は人をどう表現してきたか」では、"肖像芸術"にフォーカスし、ルーヴル美術館の全8部門を代表する名作約110点を展示。時代・地域を超えた歴史的傑作の数々を通じて、肖像が担ってきた社会的役割や表現上の特徴に迫る。尚、東京展は2018年5月30日(水)から2018年9月3日(月)まで国立新美術館にて開催された。

プロローグ：古代エジプトの2つの肖像画を比較

展覧会は、プロローグとエピローグを含む5つのセクションで構成される。プロローグ「マスク―肖像の起源」では、古代エジプトの"理想化・様式化"された《棺用マスクの顔の部分》と、"写実性・肖似性"を求めた《女性の肖像》の2つを比較して紹介する。

第1章：葬礼美術など"記憶"のための肖像

第1章「記憶のための肖像」では、"人の存在を記憶する"という肖像の最も古い役割をテーマに、神々に捧げるため、子孫に残すために作られた古代から19世紀までの肖像作品を紹介。シリアのパルミラ出土の《女性の頭部》が、所蔵が持つ"記憶"という機能を発揮した葬礼美術の1つとして展示される。

第2章：ナポレオンなど権力者たちの肖像

"記憶"と並ぶ、肖像芸術のもう一つの役割としてあげられるのが"権力の顕示"だ。第2章「権力の顔」にはマケドニアの《アレクサンドロス大王の肖像》、通称《アザラのヘルメス柱》、ルイ14世をはじめとする歴代のフランス国王、《フランス王妃マリー＝アントワネットの胸像》などの権力者たちの肖像が一挙に並べられる。

中でも注目は、フランス皇帝ナポレオンのコーナーだ。将軍から皇帝へと昇りつめ最高権力を手にしながらも、追放先の孤島で孤独な最期を迎たナポレオン。アントワーヌ＝ジャン・グロの傑作《アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)》ほか5点の作品を通じて、その激動の人生をたどる。

第3章：ルネサンスの最高傑作《美しきナーニ》

第3章「コードとモード」は、王侯貴族や高位聖職者だけでなく、ブルジョワ階級へとモデルの対象が広がっていった肖像画を展示。古代から受け継がれてきた上流階級の肖像表現のルールを踏襲しつつも、各時代・地域・社会に芽生えた独自の流行を反映しながら、多様な発展を遂げた肖像芸術に迫る。

見どころは、27年ぶりに来日を果たす、16世紀ヴェネツィア派の巨匠ヴェロネーゼによる《女性の肖像》、通称《美しきナーニ》。ルーヴル美術館が所蔵するルネサンスの肖像画の中でも、最高傑作の一つとして名高い作品の1つを目にすることができる。

エピローグ：アルチンボルド《春》と《秋》

展覧会は、エピローグ「アルチンボルド―肖像の遊びと変容」で締めくくられる。16世紀後半に活躍した奇才の画家、ジュゼッペ・アルチンボルドの「四季」連作に属する《春》と《秋》。さまざまな動植物や事物を寄せ集めて構成された奇抜な人物画には、本来の"肖似性"という特徴を超えた、見る人によって変容する"多義性"を備えた肖像の魅力を教えてくれる。

【詳細】
「ルーヴル美術館展 肖像芸術——人は人をどう表現してきたか」
会期：2018年9月22日(土)～2019年1月14日(月・祝)
開館時間：9:30～17:00 ※入場は閉館の30分前まで。
休館日：月曜日(祝休日の場合は開館、翌火曜日休館。ただし12月25日(火)は開館)、12月28日(金)～1月2日(水)
会場：大阪市立美術館
住所：大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-82(天王寺公園内)
観覧料：当日1,600円(一般)、1,200円(高大生)
前売・団体 1,400円(一般)、1,000円(高大生)
※前売券は9月21日(金)まで主要プレイガイドで販売。
※団体料金は20名以上。
※中学生以下および障害者手帳持参者(付添い1名含む)は入場無料(要証明)。
※大阪市在住の65歳以上も一般料金が必要。
※高校生は土曜日無料(要証明)。
大阪展問い合わせ先：大阪市総合コールセンター TEL：06-4301-7285