1897年、ドイツにてデビッド・ネルキンが「グローブ・トロッター」を創業。後にイギリスに拠点を移している。
グローブ・トロッターは、イギリスのトラベルケースブランド。職人によるハンドメイドにこだわりを持ち、生産される数はごく少数で、限定されている。
ヴァルカン・ファイバーと呼ばれる、特殊な紙を何層も重ね樹脂をコーティングした特殊素材を使用し、軽量さ、弾力性、頑強さを実現している。デザインはミニマルなものが多い。
グローブ・トロッターのケースの最大の特徴は、色落ち、風合いが出る点であり、空港などで衝撃を受けることで、ケースに味がでてくるところにある。これが100年以上絶大な支持を得ている理由であり。エルメス、ルイ・ヴィトンなど人気ブランドのトランクとは異なる個性と言える。
90年代後半に日本にも本格的な展開を始め、グローブ・トロッターとマッキントッシュを中心としたイギリスのブランドを取り扱うショップ「ヴァルカナイズ」にて取り扱いがある。
グローブ・トロッターの歴史は1897年、デビッド・ネルキン(David Nelkin)がドイツにて創業したことに始まる。「世界中を闊歩する人」が社名の意味。1901年、イギリスのロンドンに拠点を移す。像がとトラベルケースの上に載っているイラストが有名で、ケースの頑丈さを的確に表現した。
当時の最先端紙素材「ヴァルカン・ファイバー」を使用し、一躍、トラベルケースのトップブランドに上り詰める。チャーチル元首相、エリザベス女王、エベレスト登頂に世界で初めて成功したエドモンド・ヒラリーなどイギリスのアイコンとも呼べる人物が愛用した。
97年、創立100周年を記念し、最上級ライン「センテナリー」を発表。
2004年、最上級ライン「センテナリーシリーズ」に、初の女性用シリーズ「Jewel」を発表。これは女性用としては初のシリーズ。
2008年、110周年の集大成としてトランク「110(ワンテン)」を発表。定番のヴァルカンファイバー製ではなく、東レ・デュポン社との技術提携により誕生したカーボン・ファイバー(炭素繊維)を使用。レーシングカーや航空宇宙産業に使用されるカーボンを使用し、さらに特殊繊維を織り込むことで、重量1.4kgという軽量化と硬く頑丈なケースを作りだした。この製品は世界中で話題となった。
また同年、ディフュージョンラインの「one」を発表。
グローブ・トロッターは、他ブランドや他業界企業とのコラボレーションも積極的に行い、97年にコム デ ギャルソンとバニティーケースを発表。2002年、イーリーキシモト、2006年、ジョンストンズ オブ エルガンやエルメス(HERMES)、2007年、ランドローバー、2008年、ジェイ・クルー(J. Crew、限定コレクション「Centenary Collection」)やアンダーカバーとコラボレーションでトラベルケースを発表した。
2013年、グローブ・トロッターより初のフルレザーコレクション「JET」を発表。2015年、アレキサンダー・マックイーンとスーツケースを発表。
2016年、日本初の路面旗艦店「グローブ・トロッター 銀座」を東急プラザ銀座にオープン。
2021年、グローブ・トロッターと公益財団法人 日本サッカー協会が、日本代表のアパレルプロバイダー契約を締結。サッカー日本代表チーム公式トラベルケースを、限定コレクション「サムライ ブルー リミテッド コレクション」として発売。