ダックス(DAKS)は、2019-20年秋冬ウィメンズコレクションをイタリア・ミラノで発表した。
コレクションの題材となったのは英国文学の名作。例えば、カズオ・イシグロの『日の名残り』の物語の舞台となったマナーハウスの優雅な雰囲気を思わせるような、気品あふれるスタイルが展開された。
ギャザーを寄せ、花のような装飾に仕立てたバルーンスリーブのブラウスや、幾何学模様のタイブラウス、生地の分量をとってゆったりと仕上げたウールのドレスなど、落ち着きのある上品なデザインのウェアが登場。また、ヘリンボーンのジャケットとスカートにネクタイを合わせた、ユニフォームライクなコーディネートやトラッドなセットアップなど、クラシカルな英国の趣を感じさせるルックも目を引く。
アイコニックなチェックは、マニッシュなスーツやシンプルなフォルムのワンピースに落とし込まれている。目の細かいブラウン系のチェック地で仕立てたジャケットとパンツのセットアップや、オーバーチェックをあしらった、大判のストールを巻いたパンツスタイルは、緩やかなドレープを描き出し、メンズライクなアイテムならではのハンサムなエレガンスを演出する。
スーツスタイルや、レザーのトレンチコートなどマスキュリンなスタイリングが登場したかと思えば、レースやバラ模様のフェミニンなフリルドレスも展開。透け感のある、センシュアルなレースを使ったドレスは、ギャザー、フリルを施し、フェザーを飾って繊細に仕上げている。
コートやケープ、ドレスなどに施された、ゴーギャンの絵画を連想させる大ぶりな花のテキスタイルは、立体感のあるジャカードや、プリントを施したしなやかな布地など、様々なファブリックで表現されている。深みのある色彩が、異なる生地に乗せられることによってわずかに表情を変えるのが見て取れる。