あらいぴろよによるエッセイ漫画『“隠れビッチ”やってました。』が実写映画化。同名のタイトルで、2019年12月6日(金)に公開される。
本書がタイトルに掲げる“隠れビッチ”とは、清楚派に擬態した“ビッチ”の事。つまりは、メイクはシンプルで髪色は暗め、肌の露出も15%程度と一見清楚派ながらも、戦略的に「隙」と「タイミング」を演出することで、男性を次々とハントしていく女性を指している。
決して自分からは告白をせず、あらゆる種類の思わせぶりな態度で男性の心を揺さぶり、相手から告白されるまで“罠”を仕掛け続ける…。本作は、そんな“隠れビッチ”のモテ戦術を面白可笑しく披露しつつも、その裏に潜む現代女性の心の隙間や歪みに寄り添いながら、主人公・ひろみの成長を描いた作品だ。
主人公のひろみ役を務めるのは、佐久間由衣。映画初主演となる佐久間は、本作について「この作品は、主人公の恋愛模様を描きながらも、そこだけに留まらず『ちょっとした寂しさを抱えて生きる現代の大人の成長物語』だと台本を読んで感じました」とコメント。
そんなひろみを見守る男性・三沢役を演じた森山未來は「これは“もし佐久間由衣ちゃんがナチュラルに隠れビッチをやっていたとしたら誰も太刀打ちできないでしょ”、という映画です。僕も彼女に打ち砕かれた死屍累々の一人です」と、佐久間が演じた“隠れビッチ”の完成度に太鼓判を押している。
また、シェアハウスで主人公・ひろみとその友人・彩と同居し、女子2人の心のケアまでお世話するバイセクシャルの晃役を村上虹郎が、駄目な恋愛を繰り返す友人・彩役を大後寿々花がそれぞれ務める。
また主人公のひろみを取り巻くメンズたちには、NHK 連続小説「半分、青い。」に出演した小関裕太や『旅猫リポート』の前野朋哉をはじめ、片桐仁、前川泰之、栁俊太郎といった若手実力派キャストの顔ぶれが揃う。草食系、バツイチ系、エリート系、肉食系…と、個性豊かなキャラクターを炸裂する彼らが、ひろみにどのようにして手玉に取られていくのか是非注目してほしい。
メガホンを取ったのは、『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』や『旅猫リポート』で知られる三木康一郎。三木は本作について「原作を目にした時、タイトルからどれだけブッとんだ女性の話だろうかと思ったら、読んでみると、行動や発言はめちゃくちゃなんですが、何か身近なものを感じたのです。主人公、ひろみの感情は、実は誰でも心の奥に秘めているものなのでは?と思ったのです。今回、映画化するにあたって、そんな誰でも持っている、心の奥に秘めた部分を丁寧に描きました。強い部分もあれば、弱い部分もある。正しい人間でもあれば、ビッチな人間でもある。誰もが心の奥に隠している黒い部分を針で突くような作品、そして、そんな自分を理解し前に少しでも向いて歩こうと思えるような作品になればと思って作りました」と、映画化にかけた思いを綴っている。
異性からモテ続ける事で、「認められたい欲求」を満たしてきた主人公・ひろみ。自分が傷つかずに、相手の気持ちだけを弄びながら、恋愛の美味しい所だけを楽しみ、体の関係は断る―というゲームのようなやり口に、ひろみのシェアハウス仲間であるバイセクシャルの晃と恋愛に失敗してばかりの彩は驚いていた。
服の露出は少な目、鎖骨がちらりとのぞく透け感のあるワンピースが戦闘服。どこにでもいる女性に見えるのに、計算しつくした仕草と会話で、男性を落とすハンターぶりから、彩は「あんたは“隠れビッチ”ね!」と名付ける。そんなある日、同じ職場に気になる相手が現れ、ひろみは初めて自分の本音と向き合う。「男に頼ってばかりではだめ。人間になりなさい」そんな晃からの叱咤を受け、ひろみは<自分に必要なもの>を探しはじめるが......。