2012年10月3日(水)から12月24日(月)まで、東京・初台の東京オペラシティ アートギャラリーにて、写真展「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN」が満を持して開催される。篠山紀信にとって初となる、国内美術館での大規模な個展だ。
同展は、50年に渡って写真界の第一線で活躍してきた篠山紀信の作品の中から、とりわけ「写真力」のある作品を選び、巨大な展示空間にあわせてダイナミックに引き伸ばして展示。篠山紀信の主戦場である、有名人のポートレートを中心とした129点が登場する。本人がいう「撮られた者も、撮った者も、それを見る人々も唖然とするような、“尊い写真”」のもつエネルギーが体感できる展覧会となる。
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写真展のスタートに先立ち、2012年10月2日(火)に記者会見が開催された。会見には、東京オペラシティ アートギャラリーのキュレーター福士理、企画協力の後藤繁雄、そして篠山紀信が登場し今回の写真展の魅力について語った。
福士は「好きにせよ嫌いにせよ、これから先に催される写真展は、今回の展示をはっきりと意識せざるを得ないと思います。この展示によって写真展の歴史が塗り替わる、と感じています。」と語った。
今回の企画の発起人とも言うべき、企画協力の後藤は「今回の企画には、写真とは、篠山紀信とは、日本とは何かという3つのテーマがあります。写真というナマナマしいものを経験してもらい、さらに篠山さんの元気の秘密を感じることができる展示です。」と同展の見所をアピール。
そして、今回初めて美術館で開催することに対し、篠山は「本当にこんなに大きな美術館でやるのは初めてなんですよ。それは何故かというと、やっぱり美術館という敷居の高い所で、額に入れた写真を芸術でございますよ、という風に鑑賞するのは私の写真にそぐわないな、写真てのはもっと勢いのいいものじゃないか、と思っていた。でも、考えてみれば美術館というのは非日常の空間で、その中に僕の「写真力」のある写真をぶつけたらどうなるだろうか?これは僕も見てみたいなと思ってやったのですが、とにかく皆さん、実際に目の当りにするとすごい。」と熱を込めて語った。そして最後に「とにかくまず、会場で体感してください!」とコメントし、この新たな試みに手応えを感じているようだった。