ロエベ(LOEWE)は、2020年春夏メンズコレクションを2019年6月22日(土)に、フランス・パリで発表した。
人の手から物を生み出す“クラフト”を大切にし、クリエーションを続けるロエベ。実体の無いデジタル時代に生きる人々に向けて、クラフトのスピリットを確かに感じられるアイテムを発信する。
今季は、ロンドンを拠点に活躍するアーティスト、ヒラリー・ロイドをフィーチャーした色彩やデザインのウェアを展開。自然の世界と、人工的に作られた世界の両方の側面を追究した作品を制作するヒラリー・ロイドのアートのコンセプトは、ロエベの世界観とも相通じる部分があり、タッグを組むに至ったという。
実体のない閉塞感から解放してくれるかのような、コンフォートなムードの漂う“究極のノマドスタイル”を提示。ロエベのアイコニックなオロの“カシミア”スエードは、光沢を備えたリッチな質感が魅力。ざっくりとしたフォルムの、ミニマルなチュニックに用いられ、リラックスしていながらも品格を漂わせる。
また、レイヤードせず1枚で洗練されたスタイルを作り出すセーラーカラーのシャツやまっさらなホワイトのパンツは、仕立ての良さを肌で実感できるアイテム。シンプルな着こなしを叶える身軽さも、ノマドライクな雰囲気を強めている。
世界各国のクラフトに敬意を配した素材使いも特徴的だ。西アフリカにあるブルキナ・ファソによる手作業で染めて織り上げたインディゴストライプの布地は、直線的なシルエットのロングドレスに採用。バングラデシュの、エキゾチックな刺繍を施したホワイトのコットンドレスや、日本発のリネンデニムを使用した、表情豊かなウォッシュ加工のデニムセットアップも登場。いずれもクラフトの感触が伝わる、丁寧な仕立てを感じられる。
目に留まるのは、アーティスティックな色彩。パープル、ブラック、ホワイトをダイナミックに配した、ざっくりとしたニットには、柔らかなボーダーのワンピースをスタイリングし、カラフルな着こなしを見せた。また、淡いピンクやパープルの発色とドレープ感が調和した、ワントーンの軽やかなセットアップは、リュクスで開放的なイメージを演出する。
スエード、トワル、カーフレザーで仕立てられた、三角形のマチが特徴的な「ベルリンゴ」ショルダーバッグや、イエローのハンドルやストラップを配し、ウェアと連動したストライプのファブリックをプラスした「パズル」バッグといったバッグ類にも注目したい。ソフトなナパカーフレザーを採用した、エンボス加工のフラットバックパックは、手提げのショッパーバッグとしても使うことが可能だ。