MSGM(エムエスジーエム)の2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月21日(土)に発表された。
快晴の青空と、照り付ける太陽。ネオンイエローのランウェイは、その光が反射して、まるで自ずと光っているようにも見えた。始まったランウェイもまた、負けじとパンチのあるカラーリングのオンパレード。クリエイティブ・ディレクターのマッシモ・ジョルジェッティのファッションに対する愛と、ファッションが発するエネルギーに満ちたコレクションがスタートした。
ベースは極めてクラシック。中世ヨーロッパの貴族が愛したであろうスタイルだ。大きなリボンタイや、フリルの重なる大きな襟、たてに流れる自由なラッフル、そして強調されるパフスリーブなど。シュミーズのように繊細なドレスルックから、男性的なジャケットスタイルまで、ファッションの歴史に欠かせないアイテムが続々と登場する。
それをモダンに調理するマッシモのテクニックが、前述したカラーパレットを筆頭に、素材使いやシルエットにも表れている。オーガンジーのドレスやボリューミーなドレスには、まるで躍動感溢れる空想世界の庭園のようなフローラル・プリントを施した。そんなフェミニンなファブリックとともに、ジューシーカラーのサマーツイードやタイダイデニム、大胆な配色のタフタなど全く異なるテイストが交差する。
マッシモお得意のハイブリッドも面白く、ボックスシルエットの男性的なジャケットは、敢えて強調しすぎるほどのボリュームスリーブで展開。通常ならエレガントなスタイルに起用されるツイードは、裾をフリンジのようにしてアヴァンギャルドにシフトした。
意外性のあるアイテムに、さらに意外性をプラスするためスタイリングにもマッシモの機転が感じられ、インパクトあるラッフルが踊るトップスにタイダイのデニムパンツをあわせたり、ロマンティックな花柄のワンピースやスカートにラフィアのサンダルをあわせたりしている。これら斬新な組み合わせは、マッシモが大切にするファッションを楽しむひとつのカタチなのだろう。