ラグス マックレガー(Rags McGREGOR)の2013年春夏コレクションは、若き頃のチェット・ベイカーの姿を収めた写真集『Young Chet』からインスパイアされた、50年代のモダンジャズマンのスタイルがテーマ。1954年にレコーディングされた『Chet Baker Sings』の中の1曲『That Old Feeling』をモチーフに、ウエストコースト・ジャズのプレイヤーたちが愛した50年代ファッションがイメージソースとなっている。
当時20代だったチェット・ベイカーが好んで着たイタリアンカラーやオープンカラーのシャツ、袖の短いタイトなTシャツ、サマーコットンニット、ストライプのサマーウールなど、不良っぽさ、セクシーさが漂うラインナップ。また、ウエストコーストのジャズマンが好んでステージ衣装としたラペルの細いスーツスタイルをブラッシュアップし、これまでにないドレッシースタイルも加わった。
中でも注目は、50年代のマックレガーのアーカイブから、ブランドを象徴する小紋やペイズリーなどのスモールプリントを、ラグス マックレガーのオリジナルとして配色を変えアップデートして展開されるアイテム達だ。ブランドアイコンであるドリズラーなどにも見られるバラエティに富んだプリントは、50年代のテイストを残しつつも、新しいアメリカンカジュアルの方向性を打ち出している。
イタリアンカラーやオープンカラーのシャツはもちろん、プリントシャツ、シンプルでドレッシーなドレスシャツなど、定番のシャツはバリエーション豊冨。ピンやスタッズを模したプリントシャツは、同じプリントでもそれぞれの配置を変えることで全く違う印象に。また、チェックシャツには王室御用達ブランドであるトーマス・メイソン(Thomas Mason)の生地をセレクトし、上質さを追求した仕上がりとなった。
新たにアイウェア、リング、スクエアのタイなども加わり、アクセサリーも充実した今回。シンプルになりがちな春夏のスタイルに、アクセントを効かせてくれる。
プリントTシャツには50年代のピンナップガールの女王であるベティ・ペイジを登場させるなど、当時のアメリカ・ウエストコーストの退廃的なスタイルを現代にミックスしたコレクションだ。