今秋より伊勢丹のインターナショナルデザイナーズやオープニングセレモニー(OPENING CEREMONY)でも取り扱いが開始され、日本初上陸を果たしたアンティポディウム(ANT!PODiUM)。2012年秋冬よりロンドンファッションウィークでランウェイデビューし、近年日本の雑誌での露出度も増えている今後要注目の新進ブランドだ。今回は、日本でのアイテム展開を機に来日していたブランドのクリエイティブ・ディレクター、ジェフェリー・J・フィンチ(Geoffrey J. Finch)にインタビューを試みた。
まず、日本でブランドを展開し始めることについてお聞かせください。
心の底からわくわくしています。日本に何人か友達がいるため、以前から東京にはとても興味がありました。いろいろな人たちの協力を得て日本進出に至ったのですが、とにかく物事が早く進みすぎて驚いています。それに、こんなにも素敵な人たちと一緒に働ける素晴らしい機会を与えてもらえた事で、むしろ自分自身がもっと頑張らなくてはと焦っているくらいです。伊勢丹やオープニング セレモニーなどの名だたるショップで商品を取り扱ってもらえるのも夢のようです。
日本初展開となる2012年秋冬コレクションはテーマが"害虫(Vermin)"。ロンドンの街中の少し変わった人たちからインスピレーションを得たと伺ったのですが。
はい、そうですね。ちょっとおかしな人たちも含め、ロンドンの道行く人たちのスナップショットの様なコレクションとなっています。故郷オーストラリアからロンドンに来て、かれこれ7、8年になりますが、ロンドンは本当に面白い街です。人種のるつぼで、様々な文化が交錯しています。特に今年は、ロンドンオリンピックの開催もあり、その傾向がより大きかったかもしれませんね。
やはり普段から街中の人々を観察しているのですか?また、どんな人に目を止めます?
はい、見ていると思います。そして本当にいろいろなタイプの人に目を奪われます。アンティポディウムは、様々な人が運んでくる多様な影響を受け取ることで形成されている部分があり、そのため非常に民主的なブランドだと言えます。そうした意味でもあらゆるタイプの人に引かれるのでしょうね。それにロンドンは非常に寛大な都市で、私自身がオーストラリアの小さな町の出身で閉鎖的な環境で育ってきたせいか、大変刺激的に感じるんです。
"アンティポディウム"というブランド名の由来は「地球上の正反対の位置(antipodal)にあるふたつの都市をつなぐ」から来ていて、現在拠点を置くロンドンと故郷オーストラリアを結びつけるという意味が込められているんですよね。
ええ、そうです。言い表わすのなら、オーストラリアのバックグラウンドを持ったロンドンブランドといった所でしょうか。ルックのスタイルはロンドン色が強くて、そこにオーストラリアのアクセントが加わっている感じです。
ロンドンにあるオーストラリアブランドのショールームからスタートしたと聞きました。どのようにブランドへと発展していったのでしょうか?
ショールームに少しずつ自分がデザインしたものを置き始めたんです。それが徐々に評判となり、2006年に発表したカプセルコレクションで英国版ヴォーグに取り上げられるまでに成長して、そろそろ本腰を入れてブランドとしてやっていこうという事になりました。