Q.今回キーアーティストデビューをする万理子さんのメイクアップについて教えてください。
A.万理子のメイクアップは本当に繊細で最高、素晴らしい才能を持っていて、上品で丁寧な仕事をするのよ。しかもすごくディテールに気がつくの。まるで20の目を持っているかのよう! 彼女はきっと良い仕事をするはず。キーアーティストとしては、ショー全体とチームを管理しないといけないから、深い気遣いとそうとうな集中力が必要になります。私は彼女と一緒のチームで働くのが大好きよ。
Q.最後に、日本の女性のメイクについてどう思われますか。
実は13年前、オープンしたての阪急百貨店うめだ本店のショップで手伝ったことがあるの。日本の女性は特有のベースメイクについての手法を持っているし、メイクに対しての知識が豊富で勉強熱心でメイクが上手。日本で働いた経験は、"肌づくり"を得意とする今の自分のスタイルに影響しています。日本のブログはいつもチェックしているのよ。
■プロフィール
カナダのモントリオール出身。1994年にフランスでキャリアをスタートさせ、現在はNYに活動の拠点を置く。2006年に世界中のM・A・Cアーティスト集団の中で、ディレクター職にあるエグゼクティブ ディレクターに就任し、現場でも第一線で活躍する。雑誌、テレビ番組など幅広いメディアで活躍し、また各界のセレブリティからも信頼が厚い。丁寧な"素肌"の作り込みやボディメイクアップを得意とする。
【Mariko Tagayashi/耕万理子】
Q.東京コレクションでも、キーアーティストを多く勤められていますが、2013年春夏で特に印象に残るメイクはありますか。
A.東コレではソマルタ、インプロセスをはじめ、毎シーズンキーを務めていますが、NYなどでもバックステージを経験しています。NYだとジェイソン・ウーは大きいハイライト使い、肌の輝かしい感じが印象的で、すごく覚えています。赤いリップなどのクラシカルなポイントがありつつも、ゴールドのシャドウやハイライトを使って肌のツヤ感を出しました。
Q.今回、ロンドンデビューされるそうですね。
Q.これまでもパリ・ミラノには参加していましたが、今回はロンドンファッションウィークにも参加します。ドレスドアンドレストからお話をいただき、キーとしてバックステージに入ることになりました。海外でのキーは初体験なので、楽しみ。ニューヨークでもひとつキーが予定されているので、精一杯頑張りたいです。
Q.バックステージのキーを担当するときに、どういうことに気を付けていますか。
A.ショー前、1週間という短い期間でキャスティング、テストメイクなどが決まり、デザイナーと打ち合わせをしてメイクを決めていくんですが、最初に作り手とよくコミュニケーションをとり、インスピレーション源などをヒアリングしてメイクによるアプローチを決めていきます。コミュニケーションはすごく大事にしていて、もちろん自分が提案したいことはあるけれど、足し算、引き算をしたり……。やっぱりみんながハッピーになれることが一番だと思うから。
Q.これからきっと、海外でのキーのお仕事も増えますね。
A.そうなるように頑張ります。国は違っても、求められることは変わらないと思うから、今までのスタンスを大事に海外のステージでも更なる挑戦を続けていきたいです。
■プロフィール
メイク歴17年。アジアに8人しかいないM・A・Cシニアアーティストのひとり。メイクテクニックとセンスは一般客はもちろん、多くの有名人も虜にする。メイクをするときに常にその人のライフスタイルやパーソナリティまで考え、自分のセンスを加えることで、誰もが満足するメイクを提案する。2013-14年秋冬コレクションでは、ロンドン、NYでキーアーティストデビューを果たす。