sacai(サカイ) 2021年リゾートウィメンズコレクションが発表された。毎シーズン、パリをコレクション発表の場としているsacaiだが、今シーズンはルックブック及び、ブランド初となるショートフィルムでの発表となる。

「Love Over Rules」がテーマ

今季デザイナーの阿部千登勢がインスピレーションを得たのは、アメリカのコンセプチュアルアーティスト ハンク・ウィリス・トーマスによるアートワーク「Love Over Rules」。“愛の強さ”を訴える、作品に込められた力強いメッセージを、sacaらしいハイブリッドな表現と共に、コレクション全体を通して伝えていく。

過去のアーカイブプリントをパッチワーク

今シーズンの主役となるのは、過去のアーカイブプリントをミックスさせた、カラフルなワードローブ。「レインスプーナー(Reyn Spooner)」のバンダナ柄や、「ペンドルトン(PENDLETON)」のエスニックなチマヨ柄といった様々なプリントを、ハンク・ウィリス・トーマスの手法のひとつ“グラフィックパッチワーク”を通して再構築したドレスやボトムスが、コレクション全体に快活なリズムをもたらしている。

日常で楽しめるリアルクローズ

同じ要領で、トレンチコートやMA-1、デニムジャケットといったアイテムのファブリックを繋ぎ合わせた、2ピースやドレスなども登場。クラシカルやカジュアル、そんなジャンルを超えた要素がドッキングしているにも関わらず、不思議と“日常で楽しめるリアルクローズ”に仕上げているのが今季のムードだろう。

姿を変える、オーセンティックなアイテム

sacaiのレンズを通すことで、オーセンティックなアイテムを“変形”させたユニークなピースも散見された。ジャンプスーツや深いVネックのベストへとトランスフォームしたスーツ、ショートスリーブのシフォン付きドレスへと生まれ変わったトレンチコートなど。クラシックで馴染みのある形を切り取り、再構築することで、ハイブリッドな手法で全く新しいワードローブを作り出すsacaiのDNAを、さらに掘り下げている。

パーソナルなスタイリングも

今シーズンは、アー・ペー・セー(A.P.C.)のデニムパンツやナイキ(NIKE)のレギンスなど、阿部千登勢の私物を使用した、パーソナルなスタイリングも印象的。この特別なアプローチは、身近なものやお気に入りのアイテムでコレクションを構成していたという、ブランド創立当初の初心に立ち返った阿部の“愛”が反映されている。