財団創立80周年記念特別展「根津美術館の国宝・重要文化財」が、東京・根津美術館にて、2020年11月14日(土)から12月20日(日)まで開催される。なお、入場は日時指定予約制となる。

根津美術館所蔵の国宝・重要文化財すべてを披露

根津美術館は、琳派作品や仏教美術、茶の湯の道具など、日本・東洋の古美術を豊富に所蔵している。財団創立80周年記念特別展「根津美術館の国宝・重要文化財」では、そのコレクションの根幹をなす国宝7件、重要文化財88件をすべて披露する。

江戸時代の華やかな屏風絵

装飾的な感覚を特徴とする江戸時代の琳派からは、国宝に指定される尾形光琳「燕子花図屏風」を展示(12月1日〜13日展示)。同作は、金屏風の大画面上に、群生するカキツバタをリズムカルに描いた名品である。一方、琳派の鬼才と謳われる鈴木其一の「夏秋渓流図屏風」には、濃密な画面の随所に漂う非現実的な感覚を見て取れる。また、京都の絵師・円山応挙が手掛けた「藤花図屏風」(重文・12月15日〜20日展示)では、写実性と装飾性が渾然となった精緻な表現を楽しめるだろう。

水墨画の名品

水墨画の名品も展示。国宝「漁村夕照図」は、南宋の画僧・牧谿が中国江南の景勝地を描いた作品の1つであり、この地特有の湿潤な空気と夕暮れの光を、水墨の濃淡のみで劇的に描きだしている。

宗教画の最高峰や仏像

仏教美術も豊富に展示。和歌山の那智山を垂直に落ちる瀧を描いた国宝「那智瀧図」は、神体のみならず観音の仮の姿をも表しており、日本独自の自然観や信仰のあり方を示す作品として知られる。また、密教の根本経典『金剛頂経』が説く教主を描いた「大日如来像」や、均整のとれた彫像「十一面観音菩薩立像龕」(いずれも重文)なども紹介する。

茶の湯の道具も展示

そのほか、武将・柴田勝家が織田信長から拝領した茶碗であり、淡い枇杷色の釉薬の随所に青みが現れる「青井戸茶碗」や、華やかな色絵と金銀彩を施した茶壺「色絵山寺図茶壺」など、重要文化財の道具の数々も目にすることができる。

展覧会概要

財団創立80周年記念特別展「根津美術館の国宝・重要文化財」〈日時指定予約制〉
会期：2020年11月14日(土)〜12月20日(日) 会期中に一部作品の展示替えあり
会場：根津美術館
住所：東京都港区南青山6‐5‐1
開館時間：10:00〜17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日：月曜日(11月23日(月・祝)は開館)、11月24日(火)
入館料：一般 1,500円(1,300円)、学生 1,200円(1,000円)、中学生以下 無料
※( )内は障害者手帳提示者および同伴者1名の料金

■日時指定予約制
・来館前日までに根津美術館ホームページ上にて要予約
・根津倶楽部会員、招待はがきを所持していて入館無料の場合も予約が必要

【問い合わせ先】
TEL：03-3400-2536(代表)