展覧会「ヒコーキと美術」が、神奈川県の横須賀美術館にて、2021年4月11日(日)まで開催される。なお、横須賀美術館は臨時休館していたが、3月8日(月)より再開。
20世紀初頭に発明された飛行機は、スピードや空中の感覚に大きな変容をもたらすとともに、機械としての洗練された機能美でもって人びとを魅了した。その一方で、早くから戦争に利用されるなど、負の側面も持ち合わせていた。
展覧会「ヒコーキと美術」では、飛行機が人びとに与えた影響を、美術を通して考察。飛行への憧れと驚きが存在していた時代の絵画などを通して、飛行機の発明がもたらした光と影とを探る。
飛行機は、従来は体験することのできなかったスピードや空中感覚を人びとにもたらした。のみならず、装飾を廃して機能美を重視する1930年代のモダニズムの流れと相まって、飛行機がもつ独特のフォルムもまた、美術家にとって魅力的なモチーフとなった。
本展では、恩地孝四郎が自身の飛行体験を抽象的な版画として表現した連作「空旅抒情」や、飛行技術の歴史を背景に織り交ぜつつ、数学的な均整を追求した久保克彦《図案対象》など、飛行機がもたらした新たな感覚、そしてその機能美を窺うことができる作品を展示する。
飛行機の急速な発展は、戦争と不可分であった。そして、太平洋戦争中に戦果を宣伝するべく制作された戦争記録画にも、飛行機の姿は数多く描かれている。会場では、川端龍子が手掛けた大作《香炉峰》に加え、中村研一《北九州上空野辺軍曹機の体当りB29二機を撃墜す》といった戦争記録画など、飛行機を描いた戦前・戦中の作品を目にすることができる。
展覧会「ヒコーキと美術」
会期:2021年2月6日(土)〜4月11日(日)
※1月12日(火)より臨時休館していたが、3月8日(月)より再開
会場:横須賀美術館
住所:神奈川県横須賀市鴨居4-1
開館時間:10:00〜18:00
休館日:3月1日(月)、4月5日(月)
観覧料:一般 1,000円(800円)、高大・65歳以上 800円(640円)、中学生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生(市内在住または在学に限る)は無料
※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の所持者と付添者1名は無料
【問い合わせ先】
横須賀美術館
TEL:046-845-1211