特別展「大成建設コレクション もうひとりのル・コルビュジエ ~絵画をめぐって~」が、東京・虎ノ門の大倉集古館にて、2024年6月25日(火)から8月12日(月・振)まで開催される。
20世紀を代表する建築家のひとりであるル・コルビュジエは、数多くの美術作品を手がけた美術家としても知られている。特別展「大成建設コレクション もうひとりのル・コルビュジエ ~絵画をめぐって~」では、油彩画や素描、コラージュなど約130点を展示し、ル・コルビュジエの美術家としての側面に光をあてる。
1917年、故郷スイスを出てパリに定住したル・コルビュジエは、画家のアメデ・オザンファンとともに「ピュリスム(純粋主義)」を提唱している。これは、キュビスムを乗り越えることを試みた動きであり、幾何学的表現に機械時代における工業製品と通底する合理性を見出すものであった。
その後、1925年にオザンファンと別れたル・コルビュジエ、骨や石などをモチーフにシュルレアリスム的な作品を手がけている。さらに、20年代末以降には、女性を主なテーマに絵画を描くようになり、次第に大胆なデフォルメが進められるなど、姿態の形に焦点が合わせられた。
第二次世界大戦中、ル・コルビュジエは一時的に建築事務所を閉めて疎開し、絵画制作に注力している。こうして新たなアイディアを育んだル・コルビュジエは、戦後になると、牡牛、翼のある一角獣、開かれた手といったモチーフを繰り返し描くことになった。また、こうした象徴的なモチーフは、油彩画ばかりでなく版画やコラージュにおいても展開されていったのだ。
本展では、ピュリスム時代の《ヴァイオリンとヴァイオリンケース》や、有機的なモチーフを組み合わせた《レア》といった初期の作品から、牡牛や女性を題材に描かれた《牡牛XVIII》、《女のいるコンポジション》などの戦後の作品、詩画集『直角の詩』をはじめとするグラフィック表現まで、ル・コルビュジエの絵画作品の展開をたどってゆく。
特別展「大成建設コレクション もうひとりのル・コルビュジエ ~絵画をめぐって~」
会期:2024年6月25日(火)~8月12日(月・振)
会場:大倉集古館
住所:東京都港区虎ノ門2-10-3(オークラ東京前)
開館時間:10:00~17:00(金曜日は19:00閉館)
※入場はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(休日の場合は翌火曜日)
観覧料:一般 1,500円、高校・大学生 1,000円、中学生以下 無料
※会期中のリピーターは500円引き
※20名以上の団体は500円引き
※障がい者手帳、被爆者手帳の提示者および同伴者1名は無料
※着物(和装)での来館者は300円引き(割引の併用不可)
【問い合わせ先】
大倉集古館
TEL:03-5575-5711