フミト ガンリュウ(FUMITO GANRYU) 2021-22年秋冬コレクションが「Rakuten Fashion Week Tokyo 2021 A/W」2日目の2021年3月16日(火)に、六本木・新国立美術館にて発表された。ブランドにとって東京コレクション初参加となる記念すべき今季は、リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)の山縣良和が手掛ける特別なインスタレーション演出と共に幕を明けた。
“起こりうる物事に、偶然は存在しない”と力強く語るデザイナー・丸龍文人は、今シーズン現代社会に溢れる「必然的多様性」を大きなキーワードに掲げた。そのテーマを反映するように、年齢・性別・人種に囚われない様々なモデルを起用したランウェイには、6人組の人気アイドルグループ“楽器を持たないパンクバンド”BiSHのメンバーたちも登場している。
幅広く性質の異なる群が存在する――「多様性」本来の意味を表現するように、今季は枠組みにとらわれない様々なテイストが自由に交差している。その筆頭となるのが、秋冬の主役となるアウター群。もこもこのダウンに始まり、コーチジャケットやミドル丈のジャケット、セットアップで提案されたスーツジャケットといったピースが、次々とランウェイに顔を出していく。
中でも散見されたのは、ややオーバーシルエットに仕上げたダッフルコート。ブラックやブラウンといったベーシックなカラーもあれば、ハッと目を惹く鮮やかな原色も存在する。今季のシンボリックなヘッドピースである、超ボリューミーなハットと合わせた真っ赤なピースは、まるでイギリスの“近衛兵”のよう。足元は、素肌を覗かせる踝丈のパンツに、スニーカーをセレクトしたカジュアルスタイルが基本だ。
様々な多様性を受け入れるかのように、今季は心地の良さが伝わる、リラクシングなシルエットが主流となった。ラフなフーディーやプルオーバーは、モデルの体躯を覆うようなビッグサイズのフォルムながら、たっぷりと落ち感のある布地のドレープが実にラグジュアリー。また自由にフォルムを調節できる、サイドのジップ付きデザインによって、レイヤードスタイルをより一層楽しむことも可能だ。
デニムやスウェットと合わせたシンプルなシャツには、遊び心溢れるギミックを詰め込んで。バックデザインにプリーツを配したお馴染みのデザインだけでなく、フロントにナイロンポケットをドッキングさせたややスポーティーなものも登場する。
さらに今季は、実際に切った”髪の毛”を再利用したヘッドピースが、衣服のポイントになっていたのも実にユニークだった。
なおランウィには、多彩なコラボレーションも登場。フットウェアは、サブソル(SUVSOLE)やスイコック(SUICOKE)とタッグを組んだスニーカーがラインナップ。またラストに登場した、ユニークなグラフィック入りTシャツは、ネグレクトアダルトペイシェンツ(NEGLECT ADULT PATiENTS)とのコラボレーションウェアとなっている。