ヴィヴィアン・ウエストウッド マン(Vivienne Westwood MAN)が2013年6月23日(日)、2014春夏コレクションをイタリア・ミラノで発表した。
今回のインスピレーション源は「インド」。女性が纏う(まとう)サリーや、ヒンドゥー教の神、ダンス、花、虎、スパイス、ガンジス川などを通してヴィヴィアンが感じた“ロマンティックなインド”の要素を取り入れている。
コレクションを通して一貫しているのは、インドはもとより、ペルシャ絨毯(じゅうたん)やモロッコのモチーフを取り入れた優雅でカラフルで楽しいリゾートウエアのテイスト。なかでも真夏の南国に似合いそうなスーツが充実していて、ジャカードの総柄、ショールカラーのタキシード風、夕日のようなオレンジ、サックスブルーなど、様々なバリエーションで提案している。
派手な色柄も特徴で、スカーフ調のプリントの寝間着風サロペット、太陽をモチーフにしたジャガードのパンツなどが目に留まる。透け感のあるニットレースのパンツや、メッシュのカシュクール風のシャツなど、レディースの要素も多分に取り入れている。
テキスタイルでは、スーツやシャツに多用された極端にチェックの幅を広げたマキシマムチェックに目を奪われる。とくにジャケットのセンター部分とトラウザーの膝部分にチェック柄を合わせたベスト付のスリーピースは、柄合わせの難しさや要尺(服を作るのに必要な生地の長さ)を想像すると、相当な苦労が忍ばれる力作。同じテキスタイルを用いたロングシャツから想像するに、チェックのピッチ幅は1メートル以上あるのではないだろうか。日本のブランドでは定番のマキシマムチェックだが、ここまで大きな幅のものは今まで見たことがない。
ラストはオールホワイトの優雅で威厳を感じさせる王様風スタイルでフィニッシュ。コレクションの中にちりばめられた「TRUTH」の文字には、「富裕層は世界を破滅するために競争し、貧困層はそれを食い止めるために戦っている」というヴィヴィアンのメッセージが込められている。
Text by Kaijiro Masuda(FASHION JOURNALIST)