コウザブロウ(KOZABURO)の2020年秋冬コレクションが発表された。テーマは「MONKWEAR」。
今シーズンは、真言密教や空海からインスピレーションを得たコレクション。昨今の混乱に満ちた世界の中で、人々はAWARENESS(=気づき)の意識を持つことができるのか。デザイナー・赤坂公三郎が思考の末に辿りついたのが、真言密教が持つ哲学的な視座やその開祖である空海のアティチュードだった。
「空海は、唐から持ち帰った経典を肌身離さずに持っていたのではないか」という想像から生まれたのが、背中に大きなバックポケットを配した中国の民族衣装着想のジャケット。補強するテープには昨シーズンに続き、公三郎の「三」と「郎」を掛け合わせたコードをあしらっている。
空海が高野山の地を賜うまでの経緯や修行の日々からイマジネーションを膨らませたのは、レーザー加工でグラフィックを施したジャケット。空海が悟りを開いた際に目にしたであろう、雲に覆われた山々の風景をヴィジュアライズした。
中国や日本の伝統的な衣服を思わせるウェアがある一方で、ストリートを彷彿とさせる現代的なスタイルも。コレクションのテーマである「MONKWEAR」のロゴを配したフーディーや、スキーウェアの機能的なディテールを残したニットで、モダンなエレメントをプラスした。
コレクションを彩るカラーパレットは、インディゴやレッドがメイン。静寂な山々の風景や、それらが内に秘める熱いマグマを連想させる。
なお、今シーズンは、東京ファッションウィークにてデジタル形式でコレクションを発表。総本山金剛峰寺の全面協力のもと、高野山を舞台に撮影したイメージフィルムを公開した。