企画展「河井寬次郎と島根の民藝 ─手がつくる、親しいかたち─」が、島根県立石見美術館にて、2021年9月11日(土)から11月1日(月)まで開催される。
河井寬次郎は、大正から昭和にかけて活躍した島根県安来市出身の陶芸家であり、柳宗悦や濱田庄司らとともに「民藝運動」を興したことでも知られる。初期には、古陶器研究に基づく作品を発表して高い評価を獲得。その後、柳との交流を契機に実用を意識した力強い作風に変化、戦後は実用や既存の焼き物の形にもとらわれない、自由な造形をもつ作品を手がけた。
企画展「河井寬次郎と島根の民藝 ─手がつくる、親しいかたち─」では、河井の初期から晩年までの仕事を展示。また、民藝運動で柳らが取り上げた島根の登り窯の風景や焼き物など、島根の民藝もあわせて紹介する。
河井寬次郎の陶芸作品は、前期・中期・後期の3期に分かれる。本展では、中国や朝鮮などの古陶器研究をもとに高度な技術を駆使した初期の《青磁花瓶》、民藝への傾倒から実用を意識するようになった中期の《白地草花絵扁壷》、自由な造形へと変化した後期の《三色扁壷》など、多彩な技法を駆使した作品を目にすることができる。
河井はまた、柳や濱田とともに、それまで評価されていなかった民衆の手仕事による工藝品に美を見出す「民藝運動」を興した。会場では、濱田庄司《青釉十字掛盛鉢》、バーナード・リーチ《ガレナ釉筒描グリフォン図大皿》、芹沢銈介《小川紙漉村文着物》など、民藝運動を全国に推進した作家たちの作品も展示する。
1931年、民藝運動の父・柳宗悦は、島根の津和野から安来までをめぐって民藝の調査を実施。現益田市喜阿弥町の「喜阿弥焼」、石見地域の「石見焼」や登り窯、そして出雲地域の「日の出団扇」など、島根のさまざまな手仕事に民藝としての価値を見出し、その魅力を全国に紹介した。本展では、《喜阿弥焼 小土瓶》をはじめ、民藝として評価された島根の手仕事も紹介する。
企画展「河井寬次郎と島根の民藝 ─手がつくる、親しいかたち─」
会期:2021年9月11日(土)〜11月1日(月)
会場:島根県立石見美術館
住所:島根県益田市有明町5-15 島根県芸術文化センター「グラントワ」内
休館日: 火曜日
開館時間:9:30〜18:00(入館は17:30まで)
観覧料:
・企画展=一般 1,000円(800円)、大学生 600円(450円)、小中高生 300円(250円)
・企画・コレクション展セット=一般 1,150円(920円)、大学生 700円(530円)、小中高生 300円(250円)
※( )内は、20名以上の団体料金
【問い合わせ先】
島根県芸術文化センター「グラントワ」代表
TEL:0856-31-1860