ジュン アシダ(jun ashida) 2022年春夏コレクションが、2021年9月3日(金)に発表された。
1963年のメゾン創立以来、“エレガント&プラクティカル”をコンセプトに、常にクオリティの高いモノづくりの姿勢を貫いてきたジュン アシダ。2018年からは、故デザイナー・芦田淳のバトンを、娘の芦田多恵が引継ぎ、ブランドのレガシーはそのままに、今の空気を映し出すコレクションを手掛けている。そんな今季のジュン アシダのテーマは、は「Another Dimension - 時空を超えて」。都会を颯爽と闊歩する女性像をイメージソースに、芦田淳のアーカイブ作品をアレンジした鮮やかなピースが、時空を超えて蘇る。
目を惹くのは、かつての芦田淳の作品も含む、ラグジュアリーな仕上がりのイブニングドレスやカクテルドレスだ。オートクチュールのテクニックを駆使したドレス群は、煌めくビーズの装飾はもちろん、計算されたドレープやギャザーも印象的で、ひらりと舞うアシンメトリーなドレスの裾ひとつにかけても、一寸の狂いもないエレガンスが閉じ込められている。
中でも3Dの裁断やシルエットを採用したドレスは、ひと際ゴージャスな魅力を放つ。首回りからバストにかけて、ボリューミーなシェイプを描くイブニングドレスは、“鎧”のような力強さと共に、高いクラフトマンシップを感じさせるドレッシーな表情を持ち合わせた一着。
また“ツン”と天に向けて鋭利に伸びる、特徴的なショルダーラインを持つカクテルドレスも登場。全体をシンプルなブラックで統一することで、ドレスが持つ造形美をより一層際立たせている。
一方で今季はパンツを採用した、ハンサムなルックも散見された。スタイリングは、ミディアム丈からロング丈まで、様々なシルエットのジャケットと組み合わせているのが主流だ。
それぞれ異なるムードを持ち合わせながら、共通しているのは足元にサンダルを差し込んでいること。中でもグラフィカルなジャケットに、すっきりとしたテパードパンツを合わせたマニッシュなルックには、ややカジュアルなフラットサンダルを合わせることで、程よい抜け感をもたらしている。
こうしたどこか肩の力を抜くような、リラクシングなムードは、実用的なデイリーウェアの中にも意図的に含まれているようだ。ジャケットに合わせたホルターネックのドレスは、ゴム入りのウエストを自分で調節できる機能的な一着。また首元に小さなフリルがなびくグレーのドレスは、ウエスト位置にたっぷりのスモッキング刺繍をあしらうことで、上品な佇まいながらも、ゆったりと心地の良いピースに仕上げている。