英国王室御用達ブランドとして、世界中で愛されている「スマイソン(SMYTHSON)」。ステーショナリーからアクセサリーまで、タイムレスな美しさを放つ多彩なアイテムは、ギフトとしても人気が高く、1887年のブランド創業以来多くのファンを魅了してきた。
本記事では、そんなスマイソンの知られざる歴史を振り返りながら、“ファーストスマイソン”におすすめの名品ダイアリー「パナマ手帳」にフィーチャー。英国が誇る“世界一のダイアリー”を、こだわりの機能やおすすめカラーと共に紹介する。
まずはスマイソンが築き上げてきた、輝かしい歴史からプレイバッグ。
1887年に誕生したスマイソンの生みの親は、銀細工職人(シルバースミス)として腕を磨き上げたイギリス人・ フランク スマイソン。当時引退していても不思議ではない40歳という年齢で、一念発起したフランクは、財産をつぎ込み現在のスマイソンの前身となるショップを、ロンドン・ニューボンドストリート133番地にオープン。レザーグッズから銀製品、文具、旅行用品まで、多彩かつ洗練されたアイテムが並ぶショップは、たちまち当時の美意識に長けた顧客から注目を集めることになる。
また当時の店内には、こうした美しい調度品以外にも、フランク持ち前の“ウィットに富んだ”オリジナルアイテムの数々が並んでいたことでも知られている。例えばアーカイブ資料によると、列車内で<足置き>としても機能するクッション付きブリーフケースや、今でいう<エアーピロー>のようなユニークなアイテムなどを取り扱っていた模様。またアンティーク風の本が連なる<小物入れ>は、内部に複数の仕切りが配されており、当時の装飾品としてのインテリアの枠組みを超えた、機能的な一面を伺うことができる。
さらに創業者フランク スマイソンは、マーケティングにも優れた人物だった。中でも革新的だったのは、当時は普及していなかった“カタログオーダー方式”を、いち早くブランドに導入したこと。リアルな絵と共に、アイテムごとの詳細を記載したカタログは、より多くの人々の目に留まり、グローバルな展開へと加速。英国全土だけでなく、やがて他国の王室、著名な文化人までもその顧客リストに名を連ねることになる。
このような歴史的背景と共に、世界的なラグジュアリーブランドとしての地位を築いたスマイソン。代々英国王室の関係も深く、世界的にも非常に珍しい“4つ”のロイヤルワラント※を得たメゾンとしても知れている。
※ロイヤルワラント…英国王室御用達の認定書のこと。スマイソンは、生前のエリザベス皇太后をはじめ、1964年にエリザベス女王、1980年にチャールズ皇太子、そして2002年には故エディンバラ公から、それぞれロイヤルワラントの称号を獲得。かつて計4つのロイヤルワラントを授けられていたのは、スマイソンを含み世界で8社のみであった。(2021年現在は3つ)
そんなスマイソンが手掛けるアイテムの中でも、特に高い支持を集めているのが、1908年の誕生以来愛され続けている“世界初の携帯用手帳”「パナマ手帳」だ。見開きで一週間分がレイアウトされたシンプルな作りながらも、卓越したクラフトマンシップと、こだわりの機能性はスマイソンならでは。“世界一のダイアリー”とも呼ばれる、その名品手帳の魅力を3つに分けて紹介しよう。
「パナマ手帳」の最大の特徴は、“羽のように軽い紙”フェザーウェイトぺーパーを採用していることだ。一平方メートル50gという普通紙の“半分”にあたる超軽量な紙は、通常万年筆の使用には不向きだが、厳格なテストを繰り返し見事にクリア。インクの染み抜きや裏抜けもない、美しい仕上がりを叶えてくれる。また1ページ1ページを光にかざすことで見える<フェザーと地球儀の透かし>こそが本物の証だ。